英会話に苦手意識を持つ日本人は非常に多いです。英語を読めば理解できるのに、いざ話すとなると言葉が出てこない——皆さんもそんな経験はありませんか?

実は私も、学生時代は読解が得意でしたが、話すとなるとまったくダメでした。
英語科の短期大学に進学したものの、入学当時の英会話力はゼロ。帰国子女のクラスメイトに囲まれ、肩身の狭い思いをした経験があります。
そんな英会話力ゼロだった私ですが、大学卒業後に英会話講師となり、ネイティブとストレスなく英語でコミュニケーションが取れるようにもなりました。
この記事では、留学経験なしで英語を習得し、英会話講師として多くの日本人を指導した経験から、「読めるけど話せない」という英会話の壁を打ち破るアドバイスをお伝えします。この記事を読んで英会話への苦手意識を克服し、英語が話せる自分をぜひ実現してください。
- TOEIC980点、英検1級
- 留学経験ゼロで英語を習得
- 大手英会話スクールで10年以上指導
- 大学・法人研修講師10年以上
- 講師歴はトータル20年以上
- 日英翻訳の経験多数
英語を読めるけど話せない理由


難しい英語を読むことができるのに、英語を話せない日本人が多いのはなぜなのでしょうか?それにはいくつかの理由が考えられます。
「読む」と「話す」は別スキル
そもそも、「読む」と「話す」はまったく別のスキルです。英語が読めるからといって、必ずしも話せるわけではありません。
英語には「読む」「聞く」「書く」「話す」という4つの技能があります。どれも大切なスキルですが、それぞれ求められる能力が異なります。中でも「読む」と「話す」は、もっともかけ離れたスキルです。
読む:インプット型のスキル(文字言語)
話す:アウトプット型のスキル(音声言語)
単語や文法の知識があれば、英語を読んで内容を理解することはできます。自分のペースでゆっくり読むことも可能です。しかし、話すときには瞬発力が求められます。自分で文章を組み立てる必要があるため、知識があっても、それが「使えるレベル」にまで深まっていないこともよくあります。
「わかる」と「できる」は違うのです。
英語の4技能の難易度や学習の注意点は以下の記事で書いていますので、よろしければ合わせてお読みください。
>>>【保存版】大人の英語学習で4技能はどの順番で学べばいい?効率の良い勉強法


難しい英語を使おうとしている
学校の英語の授業では、難しい単語や文法を学ぶことが多いです。そのため、話すときにも難しい表現を使おうとして言葉が出てこなくなる人が多いです。
読むときのほうが難しい英語に触れる機会が多いです。特に、受験英語では、難解な英文を読む必要があります。一方で、英会話では難しい単語や文法を使う必要はありません。中学レベルの文法が分かれば十分です。



簡単な英語で、とっさに文章を組み立てることが大切です。
それがわかっていないと、難しい英文を読めるのに、簡単な英語が出てこないという結果になります。
話す練習をしていない
そもそも、話す練習をしなければ、英語は話せるようになりません。知識を蓄積するだけでなく、実際に使ってみる練習が必要なのです。
英語を話すスキルは、スポーツに例えられることが多いです。もしあなたが泳げるようになりたいと思うなら、実際に泳いでみる必要があります。本を読んだり、動画を見たりして泳ぎ方を学んでも、実際にプールに飛び込んで泳がなければ上達しません。
これはスポーツだけでなく、楽器の演奏でも同じです。子どもの頃に習い事をしていた人は、そのときのことを思い出してみてください。



知識を身につけるだけでなく、たくさん練習しましたよね?
英会話もこれと同じです。机に座って勉強するだけではなく、実践練習が必要なのです。
完璧主義が邪魔をする
日本人は、間違えることを避けようとする傾向があります。最初から完璧な文章で話そうとすると、その完璧主義が邪魔をして、かえって英語を話せなくなってしまうことがあるのです。



英会話は、失敗を重ねながら上達していくものです。
プールの中にザブンと飛び込んでみたものの、すぐには思うように手足が動かないものです。でも、そんな失敗経験から学んで、少しずつできるようになっていきます。
話せるようになりたければ、完璧主義やプライドを手放すことが大切です。時には恥ずかしい思いや悔しい思いもしながら、だんだんと上達していくのです。
読めるけど話せないを克服した私の体験談


知識はあるのに英会話力ゼロだった私も、まったく同じ理由で英語が話せませんでした。では、それをどうやって克服したのか?私の体験談をお話しします。ぜひ、皆さんの学習の参考にしてください。
書くことでアウトプット練習した
実は、短大時代にはそれほど多く英語を話す機会がありませんでした。その代わり、英語でレポートを書いたりという、「書く」アウトプットはたくさんしていたのです。



「書く」と「話す」は異なるスキルですが、どちらもアウトプットのスキルです。
書くことはスピーキングの前段階として、良い練習になります。話すアウトプットの前におこなうと、無理なくスピーキングに移行できます。知識を「使えるレベル」に引き上げるための良いトレーニングになります。
日本人同士で話す練習をした
私が初めて英語を話したのは、大学の授業でのことでした。話し相手は日本人のクラスメイト。自分と同じくらいのレベルの相手だったことが、英会話への心理的なハードルを下げてくれました。



いきなり外国人を相手に英語を話すのは、勇気がいるものです。
特に「間違えたら恥ずかしい」という気持ちが強い人ほど、まずは日本人同士で練習してみるのも1つの方法です。「ちょっとくらい間違えても大丈夫」と思えれば、気楽に話せます。
知っている単語で表現
英会話の流暢さが上がるきっかけとなったのは、「難しい単語を使わなくてもいいのだ」 と気づいた時です。最初の頃は、なかなか単語が出てこなくて英会話にストレスを感じていました。それが、ある時ふと思ったのです。
知っている単語を駆使して、何とかメッセージを伝えればいい。
例えば、「映画を見に行った」と話して「How was it?(どうだった)」と聞かれたとしましょう。「感動した」と言いたいのですが、「感動」という言葉がわかりません。そこで、知っている単語を使って、取り敢えず以下のように会話を続けます。
It was great! I cried.(すごく良かったです。泣きました)
こなれた英語ではありませんが、「泣けるぐらい良い映画だったんだな」ということが伝わります。一応、伝えたいメッセージは伝わるのです。
知っている単語を使って何とか会話するようにしたら、話すことがずいぶんと楽になり楽しくなりました。
英語を話す環境に身を置いた
スピーキング力がもっとも上がったのは、英語を話す機会が増えてからです。特に、仕事で毎日英語を話すようになったことで、会話力が大きく上がりました。



「英語を使わざるを得ない状況」に身をおいたことが、良かったと思います。
大学卒業後は英会話スクールでカウンセラーの仕事をして、その後、転職して別の英会話スクールで講師として働き始めました。
- 同僚の外国人と毎日英語で話した。
- レッスンはすべて英語で行ったので、レッスン内でも英語を話した。
実践を通してスピーキングスキルは磨かれていき、いつの間にかストレスなく英語でコミュニケーションが取れるようになっていきました。
読めるけど話せないを克服する学習のコツ


話せるようになるためには、これまで行ってきた勉強とは違うことが必要です。学習のさいのマインドも変えなければいけません。
使う英語のレベルをあえて下げる
知識のレベルと英会話のスキルが一致していない人は、会話ではあえて簡単な英語を使うようにしましょう。難しいことを言おうとして、かえって話せなくなるのです。
私が英会話スクールに勤務していた時にも、TOEICのスコアは高いのに、英会話では初級クラスになる人がいました。それにどう対応するかは以下の2パターンがあります。
- これが自分の会話レベルと素直に受け止めて、しっかり練習する。
- 「簡単な内容」と馬鹿にして、真面目に練習しない。
当然ながら①の人は上達します。②の人は上達しにくいです。「読める」と「話せる」は違うと理解して、話せるようになるためには、あえてレベルを下げた英語で練習するのが良いのです。
完璧な英語より伝わる英語を目指す
英会話で最も大切なのは、相手に言いたいことがちゃんと伝わるかどうかです。小さな文法のミスがあっても、コミュニケーションは成立します。
- 多少のミスがあっても、相手と会話のキャッチボールをできればコミュニケーションは成立する。
- 完璧な英語を話そうとして、考え込んだり沈黙が続くと、コミュニケーションが成立しない。
英会話のレッスン中なのか、実践の場面なのかによっても状況は変わってきます。
シチュエーション | 話す途中で考え込んだらどうなるか |
---|---|
英会話レッスン | 先生はある程度待ってくれる。 |
英語の会議 | 相手は辛抱強く待ってはくれない。 |
些細なミスにこだわりすぎると、1番大切なコミュニケーションが取れません。
もちろん、文法が支離滅裂で何を言っているかわからないのは困ります。一方で、完璧な英語である必要はありません。まずは、完璧な英語ではなく「伝わる英語」を目指しましょう。
「話す」を意識したインプットをする
話す練習を始めてからも、「聞く」「読む」といったインプット学習の継続は大切です。ただし、「話す」を意識したインプットを行うようにしましょう。そうすると教材選びが変わってきます。
× ニュース英語→英会話には不向き
〇 海外ドラマ→日常のシーンが多いものなら英会話に役立つ
仕事で英語を使うなら、教材もビジネス英語フレーズ中心のものを選ぶのが効果的です。自分の会話レベルに合う少しやさしめの教材の方が良いでしょう。



「会話で使えるように」という意識で、音読や暗唱をするのがおすすめです。
使えるパターンを身につける
会話でよく使える文章パターンを身に付けるようにしましょう。使える表現のバリエーションはどんどん増やしていけば良いのですが、最初はある程度絞っていく方が効率が良いです。
使い回しの効くシンプルな文章パターンを覚えて、場面に応じてさっと取り出せるようにしておく。
特にビジネスで英語を使う人は、使用頻度の高い単語や言い回しをパターンとして覚えると、それだけで意外と何とかなるものです。
柔軟性を身につける
1つのことを伝えるのに、英語ではいろんな言い方があります。正解は必ずしも1つではありません。自分が知っている単語でどう表現するか、会話の柔軟性を身に付けていきましょう。
例えば、電話の取次ぎで「彼女は今、電話に出られない」と言いたいとしましょう。以下の英文はすべて、「電話に出られない」ときに使用可能です。
①She’s not available right now.(電話に出られない)
②She’s unavailable right now.(電話に出られない)
③She’s not at her desk right now.(席にいない)
④She’s in a meeting right now.(会議中)
⑤She’s out of the office right now.(外出中)
①②は理由に問わずオールマイティに使える表現です。ただ、「available」という単語がパッと出てこない人もいます。その場合は、③~⑤のどれかで状況を伝えれば、「今は電話に出られない」という状況を伝えられます。



少し柔軟に考えてみると、違う言葉で表現できることも多いです。
慣れが必要ですが、練習して柔軟な対応ができるようにして行きましょう。これができるようになれば、英会話はぐんと楽になります。
読めるけど話せないを克服する学習法


昔と今では、英語学習を取り巻く環境が大きく変わっています。そこで、私の学習経験も踏まえつつ、現代ならではの学習ツールを活用して、英会話の壁を突破する具体的なアドバイスをお伝えしていきます。
英語で日記をつけてみる
書くアウトプットを取り入れてみるのもおすすめです。難しいことを書く必要はありません。その日にあったちょっとした出来事や、自分の好きなテーマについて書いてみるとよいでしょう。



3~4行くらいと短くても構いません。
難しい単語や構文よりも、シンプルな英語を心がけてみてください。話す時にもとっさに出てくるようにしたいからです。手帳に書いてみたり、LINEのメモに残したり、自分にとってやりやすい方法でOKです。
書くアウトプットについては以下の書籍がとても参考になります。ぜひ活用してみてください。


アプリを使って話す練習
人と話す練習をする前に、アプリを使って英会話の練習をするのがおすすめです。話せるようになりたければ、やはり話す練習が必要です。とは言え、知識はあるのに話せない人は、間違えたら格好悪いと言う意識を持つ人も多いです。
アプリで練習すると、以下のようなメリットがあります。
- 一人でもトレーニングができる
- 間違えても気にならない
- 隙間時間で手軽に練習できる



相手がアプリやAIなら、間違えても気になりません。
まずは英語アプリを使って、瞬間英作文やAIを相手にした会話練習をしてみるのです。こうした自主トレを積み重ねて少しずつ自信をつけていきましょう。
スピーキング練習ができるアプリについては以下の記事も参考にしてください。
>>>【トーキングマラソンは効果ある?】英会話講師がレビュー!口コミ・評判からおすすめの使い方まで
オンライン英会話で話す練習
アプリを使った練習で少し自信がついたら、オンライン英会話を活用してみましょう。講師の国籍は、日本人、フィリピン人、ネイティブなど様々です。それぞれに違うメリットがあります。
講師の国籍 | メリット |
---|---|
日本人 | わからないことを日本語で質問できる 学習のアドバイスがもらえる |
フィリピン人 | フレンドリーな先生が多い 学習者の気持ちを理解してくれる |
ネイティブ | ネイティブならではの自然な表現を学べる ネイティブとの会話で自信をつけていく |
知識はあるのに話せないタイプの人は、まずはフィリピン人講師のレッスンで少しずつ慣らして行くのもよいでしょう。学習のアドバイスが欲しいなら、日本人講師がおすすめです。



最終的には、ネイティブ相手に臆することなく英語を話せるようにしていきたいです。
最初はアプリでの自主トレーニングを中心にしながら、オンライン英会話は週に1、2回で構いません。慣れてきたら少しずつレッスンの頻度を上げていくと良いでしょう。
以下の記事に、アプリとオンライン英会話を活用したスピーキング練習の方法について書いているので、参考にしてみてください。


アプリやオンライン英会話などで練習して、あとは実践を通じてコミュニケーションスキルをさらに磨いていきましょう。



仕事やプライベートなどでも、積極的に英語を話す機会を作れると良いですね。
まとめ:読めるなら話せるようにもなる!


「英語を読めるのに話せない」というのはストレスですよね。私自身もそうだったので、よくわかります。でも、言い換えれば、「英語をきちんと読めるだけの知識がある」と言うことです。話すための素地はあるのです。
まずは簡単な文章で話す練習をしてみましょう。アプリやオンライン英会話など、今の時代は便利な学習ツールがたくさんあります。いろんなものを活用して練習を積み、英会話の壁をぜひ突破していってください。
話せないストレスを乗り越えて、諦めずに練習していけば必ず話せるようになります。



私にもできたので、きっと皆さんもできるはずです。
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