【原因は弱形】日本人が英語の発音を聞き取れない理由と解決法

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「英語を聞いても、なんとなく音が頭に入ってこない…」こんなふうに感じたことはありませんか?実は、多くの日本人が英語を聞き取れない理由の一つは、英語特有の「弱形」の発音にあります。

英語には日本語にはない「強形」と「弱形」の音の使い分けがあり、これがリスニングを難しくさせる要因になっているのです。

とても重要なポイントにも関わらず、あまり語られていません。

私は10年以上シャドーイングを指導していますが、全員が必ず引っかかるのが弱形の発音です。

この記事では、英語の弱形について詳しく説明し、シャドーイングを通じてマスターする方法をお伝えします。「英語の発音を良くしたい」「リスニング力をつけたい」という方はぜひ最後までお読みください。

弱形を意識してシャドーイングを行えば、英語が驚くほど聞き取りやすくなりますよ。

この記事を書いている人
  • TOEIC980点、英検1級
  • 留学経験ゼロで英語を習得
  • 大手英会話スクールで10年以上指導
  • 大学・法人研修講師10年以上
  • 講師歴はトータル20年以上
  • 日英翻訳の経験多数
この記事を読んでわかること
  • 日本人が英語の発音を聞き取れない理由
  • 日本人が最も苦手とする弱形とは何か
  • シャドーイングで弱形をマスターする方法
目次

なぜ日本人は英語を聞き取れないのか

「文字を読めばわかるのにリスニングでは聞き取れない」という日本人は非常に多いです。そもそもなぜ日本人は英語の聞き取りができないのか考えてみましょう。

最初に正しい発音を学んでいない

日本の英語教育では、最初に発音をきっちり学ぶ機会が少なく、そのため英語の音を正しくとらえることができません。

「授業で覚えた発音」と「本当の英語の発音」は大きく異なる。

特に40代以上の英語学習者は、学校教育でリスニングをほとんどしていません

2006年に大学センター試験(現在の共通テスト)でリスニングが導入され、学校教育にもリスニングが取り入れられるようになりました。それでも尚、発音について詳しく学ぶことは少ないです。

日本人の多くが、いわゆるカタカナ発音で英語を学んでしまっています。

英語には日本語にない発音がたくさんある

英語には日本語にない発音がたくさんあります。英語と日本語それぞれの母音・子音の数を比較してみると、以下のようになります。

言語母音の数子音の数
英語約15個24個
日本語5個13個

日本語の方が圧倒的に少ないです。

英語の発音を習得するには日本語にはない10個の母音と、さらに11個の子音を学ぶ必要があります。

同じアジア圏の言語でも、韓国語や中国語の方が母音や子音の数が多いです。例えば、韓国語では母音が21個、子音が19個あり、英語と同じ発音もたくさん含んでいます。

つまりスタート時点から、日本人は発音の習得において不利な状況にあるといえます。

私がこれまで教えた生徒さんの中には、韓国人や中国人もいました。それぞれの国の発音のクセが多少あるものの、英語の発音は日本人よりも上手な人が多いです。

英語の発音ルールを知らない

単語一つ一つの発音だけでなく、文章になった際の発音ルールもあります。英語の文章をナチュラルスピードで読み上げる際に、音がつながったり消えたりと音声変化するのです。

音声変化英語カタカナ発音実際の発音
連結an eggアン エッグアネッグ
脱落good dayグッド デイグッデイ
同化did youディドゥ ユーディジュ

こういった英語の発音ルールを知らないと、英語を聞き取ることができません。

日本人がもっとも苦手とする「弱形」発音

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英語には日本語にない発音がたくさんありますが、中でも日本人が苦手なのが「弱形」の発音です。

弱形とは

英語では一つの単語が、「強形」と「弱形」という2種類の発音を持つことが多いです。学校では「弱形」を学ばないので、これが英語を聞き取れない大きな原因になります。

強形:単語が強くはっきりと発音される。
弱形:音が弱く、速く、短く発音される。

英語の会話では、動詞や名詞などの重要な単語には強形が用いられる一方で、助詞や前置詞、代名詞などは弱形になることが多いです。

単語の発音は1つしかないと思っている方が多いです。

「have」という単語を例に取ってみましょう。辞書で引いてみると、2つ以上の発音が書かれています。「have」には強形と弱形の2つの発音があるからです。

強形・弱形発音記号
have強形/hæv/
have弱形/həv/または/əv/

「have」は「持つ」という意味の動詞で使うときには強く発音されることが多いです。発音記号/æ/となり、「apple」の「ア」と同じ発音です。とても強く発音される音で、強形の時によく使われます。

強形の/æ/は「エ」と「ア」の間のような音で、ひじょうに強い発音。

一方、「have」は「have+動詞の過去分詞」の形で助動詞としても使われます。助動詞は弱形発音となる場合が多いです。発音記号は/həv/となり、ひじょうに弱い「ア」の音です。hの発音が消えて/əv/とだけ発音されることも多いです。

弱形の/ə/はひじょうに弱く、ほとんど聞こえない。

弱形は聞き取れない

弱形の発音の特徴は、弱く、速く、短く発音されることです。そのため非常に聞き取りにくいです。

実際、ほとんど発音されないことも多いです。

さらに、前後の単語とつながって発音されたり、子音の発音が消えることもあるので、なおさら聞き取れません。

例えば、「must have」は「マスタブ」と発音されます。

  • 「have」は弱形の/əv/(アヴ)で発音
  • 「must」の「t」と連結

音の連結と弱形が重なり、日本人が思う「マストハブ」とはかけ離れた発音になります。

弱形が英語のリズムを生み出す

この「強形」と「弱形」の組み合わせがあることで英語のセンテンスにリズムができ、英語が流れるように聞こえます。日本語と英語の発音の特徴を比較してみましょう。

言語特徴
日本語全体的に平坦で一本調子
英語単語、センテンス単位でメリハリがはっきりしていてリズムがある

日本語は一つ一つ言葉をはっきりと発音する傾向がありますが、英語では重要な単語は強く、そうでない単語は弱く発音されます。

日本語と同じ感覚で英文を発音すると、こういった英語特有のメリハリができません。すべての単語を同じような強さで、一本調子で発音してしまうからです。

日本人は特に英語の弱形の発音がうまくできません。

私はこれまで多くの方の発音指導をしてきましたが、日本人は総じて弱く読むのが苦手です。全部を強く読んでしまい、英語のメリハリやリズムができないのです。

弱形のパターンと単語例

どんな単語が弱形になるのか、また発音が弱形になると発音がどう変わるか例を見てみましょう。発音変化のパターンは、主に以下の3つです。

  • 長母音が短母音になる
  • 母音の発音が/ə/になる
  • hの発音が脱落する

弱形になることが多い単語の例を以下に集めてみました。 be動詞や代名詞、助動詞などが多いです。

単語強形弱形
are/ɑ:r//ər/
am/æm//əm/ /m/
your/juər//jə/
their/ðeə//ðər//ðə/
him/him//im/
can/kæn//kən/ /kn/
do/du://du/ /də/
of/ʌ//əv/
to/tu://tu/ /tə/
that/ðæt//ðət/

弱形では「h」の発音が消えていたり、音が伸びることを表わす「:」の記号が消えていたりするのが分かるでしょうか。特に注目したいのは、弱形では発音記号/ə/がたくさん登場することです。

弱形に多い「あいまい母音」の発音のコツ

弱形の/ə/は、はっきりと発音されない中途半端であいまいな音なので、「あいまい母音」とも呼ばれます。英単語の中でもアクセントのないところでは、このあいまい母音となることが多いです。

例えば、日本語では「banana」を「バナナ」と3音とも強く発音しますが、英語では真ん中の「ナ」にだけアクセントを置き「」のような発音になります。発音記号を見てみましょう。

banana /bənǽnə/

アクセントのない箇所は弱形の/ə/になっていますね。

この/ə/の発音のコツについて、『英語の発音を一つ一つわかりやすく丁寧に』という書籍の説明が非常にわかりやすいので、以下に引用させていただきます。

「発音の最大のコツは、口をゆるめてぼそっと適当に言うこと。/ə/はどこにも力を入れない、最も省エネで原始的な母音なのです。何か母音を言わなければいけない時に結果的に出る適当な音だと考えましょう。だから、自然に出しやすいあいまいな音を一瞬出せばOK。ほとんど口を開けずにやりすごすのがコツです。

山田 暢彦『英語の発音を一つ一つわかりやすく丁寧に』

実際、私も生徒さんに音読指導するとき、「もっと手を抜いて適当に発音してください」と言うことがよくあります。

アクセントのないところで力を抜いて発音することで、強勢のある箇所が際立ちます。これにより英語特有のメリハリが生まれるのです。弱形の発音ができれば、ネイティブっぽい英語の発音に近づきます。

↓以下の書籍はこういった英語の発音のコツをつかむのにおすすめです。

専門用語を使わずに英語初心者にも分かりやすく書かれています。「発音記号が読めない」「英語の発音を一から学び直したい」という人におすすめです。

間違って覚えた発音を修正するのは難しい

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いったん間違って発音を覚えてしまうと、そのあと修正するのは非常に難しいです。

思い込みが邪魔をする

一度「こう発音するものだ」と思い込むと、その思い込みが原因で正しい音が聞き取れなくなります。英語学習ではこの「思い込み」を手放すことが大切です。

発音の思い込みが強すぎて、英語の正しい発音が耳に入ってこない。

英語のスペルを見ながら発音を聞いても、正しい発音が耳に入ってこないケースが多いのです。英文を見ながら音声を聞くと、音よりも文字に意識が行ってしまうからです。

私が教えた生徒さんも、発音をちゃんと聞かずに文字だけを目で追ってしまうことが多いです。

思い込みは発音練習の際にも邪魔をします。正しい発音を学んだあとでも、文字を見ながら発音すると、自己流の発音に戻ってしまいがちです。スペルにつられて単語を強形で発音してしまうので、英語のリズムやスピードが失われてしまいます。

まずは間違っていることに気づくのが大切

正しい英語の発音を身につけるためには、まずは自分が思っている発音と実際の発音が違うと気づくことです。思い込みを手放すには、最初に自分の発音の間違いに気づかなければいけません。

自分が思っている発音とは違うかも?

そう思えて初めて、正しい発音に修正できます。

できるだけ先入観を手放して英語の音を聞きましょう。できれば英文を見ずに音声だけに耳を傾けてみるのがおすすめです。そして、実際に自分の耳に聞こえたままの音を再現するように心がけます。

まずは自分の発音の間違いに気付くこと。

弱形の習得にはシャドーイングがおすすめ

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正しい発音を身に付けてリスニング力を上げるには、シャドーイングがおすすめです。シャドーイングでは英文を見ずに、音声を聞いてすぐに発音を繰り返します。これが発音の向上につながるのです。

文字がないから音を聞く

シャドーイングは文字を見ずに音声のみで行うトレーニングです。シャドーイングで文字なしに音声を聞くことで、正しい発音を聞き取る力がつきます

シャドーイングとよく似たトレーニングにオーバーラッピングがあります。

オーバーラッピングシャドーイング
文字を見ながら音声と同時に発話文字を見ずに音声から少し遅れて発話

それぞれの長所と短所をまとめてみると、以下の表のようになります。

オーバーラッピングシャドーイング
長所英文を見れるので安心感がある。
初心者にもとっつきやすい。
英文がないので音声に意識が向く。
正しい発音を再現しやすい。
短所文字に気を取られ、自己流の発音になりがち。初心者にはハードルが高く感じる。

日本人は間違った発音を覚えてしまっているので、スペルが目に入るとまっさらな気持ちで発音を聞けなくなります。発音する際にも、文字を見ながらだとついスペルに気を取られて「読む」だけになってしまいがちです。

実際、レッスンでオーバーラッピングとシャドーイングを生徒さんにおこなってもらうと、

シャドーイングの方が発音に意識が向く

と言われる方が非常に多いです。

もし見ない方が発音に意識が向けられる。

すぐに発話するので発音を忘れない

シャドーイングでは聞こえてきた音を即座に繰り返し発話します。すぐに発話するので、聞いたばかりの発音を再現しやすいです。

1文を聞いた後にリピートする場合、正しい発音が記憶に残りにくいです。結果、自分が間違って覚えている発音で読み上げることになり、発音の上達には効果的と言えません。

発音を再現するには、リピートやオーバーラッピングよりもシャドーイングの方が効果的。

シャドーイングの効果やリピーティング、オーバーラッピングとの詳しい違いは、以下の記事をご参考にしてください。

弱形でシャドーイング速度が上がる

弱形があることで、英語のスピードが上がります。弱く読まれる箇所を、いつものクセで丁寧に発音していると、シャドーイングのスピードについていけません。

弱形ができていないとシャドーイングで口が回らない。

私がレッスンでシャドーイングの指導をしていて、多くの生徒さんが必ずつまずくのが弱形の発音です。

100%と言っても過言ではないくらい。

ここに気をつければシャドーイングのスピードが格段に上がります。そして、リスニングでもスピードに対応できるようになります。

日本人が苦手な弱形の発音を、シャドーイングを通じて克服できる。

できればプロの指導を受けるのがおすすめ

効率よくトレーニングを行うには、プロの指導を受けるのがおすすめです。正しい発音を再現し、リスニングの向上につながるシャドーイングですが、慣れるまでは難しいトレーニングです。音声を聞きつつ発話するのは、かなり負荷のかかる作業だからです。

また、自分では正しく発音しているつもりでも、実は発音ができていないことが多いです。

シャドーイングの問題点
  • 慣れるまでは難しい。
  • 自分の発音の間違いに一人では気づきにくい。
  • 一人だと途中で挫折しがち。

シャドーイングのレッスンを受けたり、発音添削してもらえるアプリを活用すれば、こういった問題が解決できます。その方が上達も早いです。

シャドーイングはおすすめのトレーニングですが、独学だと時間がかかりがち。

ある程度できるようになれば、あとは一人でも続けていけます。最初の3ヶ月位は添削を受けるのがおすすめ。

シャドーイングにおすすめのアプリ「シャドテン

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画像:シャドテン公式ホームページ

効果的なシャドーイングを行うのにおすすめなのが、英語コーチングスクールのプログリットが提供するシャドテンというアプリです。

シャドーイングのやり方を教えてもらえる

シャドーイングを初めてする人にもわかりやすいように、トレーニングの手順を丁寧に教えてもらえます。発音のルールや注意点などを動画で学び、手順に従ってトレーニングを毎日行えば、シャドーイングのやり方がだんだんわかってきます。

最初のカウンセリングで自分に合うレベルの教材をすすめてもらえます。シャドーイングは教材選びも大切なので、教材に細かいレベル分けがされているのも非常に嬉しいです。

シャドーイング初心者でも安心して学べる。

毎日添削してもらえる

シャドテンでは、自分のシャドーイング音声を毎日プロに添削してもらえます。正しく発音できていない箇所は、聞き取れない箇所でもあります。発音を直してもらうことがリスニング力向上につながっていきます。

SHADOTEN-feedback

改善点を指摘してもらいながら、同じ教材を繰り返し練習します。自分では気付かない点を指摘してもらえるので効果的な学習が可能です。

添削があることで学習がはかどり、上達のスピードが加速する。

カタカナ添削で思い込みを払拭

シャドテンの添削は発音記号ではなくカタカナで行われます。実はこれが英語を正しく聞き取る上で大いに役立ちます。

直感的に理解できる

発音の苦手な日本人にとっては、発音記号で示されるよりカタカナの方がわかりやすいです。発音記号がわかるに越した事は無いのですが、慣れないとピンときにくいのも事実。私が生徒さんにシャドーイング指導する際も、発音記号で説明しても伝わらないことが多いです。

カタカナにしてようやく腑に落ちる人も多いです。

また、シャドーイングでは元の音声と同じ発音の再現を目指します。話し手によって発音にクセがあり、時には発音記号の通りに発音されないこともあります。

カタカナの添削は、実際の発音にできるだけ忠実に文字に書き起こしている。

音声を聞き返すきっかけになる

とは言え、カタカナ表記には限界があるのも事実です。特に弱形を含むようなあいまいな発音は文字にしにくいです。カタカナの表記を見て、わかりにくいと感じる人もいるでしょう。ただ、それをきっかけに音声を聞き返すことにもなります。

シャドーイングで大切なのは、自分の思い込みを手放し、実際の発音に耳を傾けることです。

添削をきっかけに、「そんなふうに言っている?」と自分の音声と教材の音声とを聞き比べることになる。

発音に苦手意識のある日本人には、あえてカタカナで示すことが思い込みを手放すのに効果的です。

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まとめ

英語の聞き取りが苦手な原因として、日本語にはない「弱形」の存在があります。弱形をマスターできれば、英語のリズムを再現しやすくなり、聞き取り力も向上します。

弱形に慣れるにはシャドーイングが効果的です。文字を見ずに音そのものに集中して練習するので、正しい発音を聞き取り発話する練習になります。

一人では難しいようなら、プロの指導や添削を受けるのがおすすめです。まずは3か月シャドーイングの習慣をつけてみましょう。

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