「英語学習にシャドーイングがいいらしいと聞くけど、どんな効果があるのかよくわからない。」
「シャドーイングをしていれば英語が話せるようになる」
そんなふうに思っていませんか?
シャドーイングの一番の効果はリスニング力の向上です。スピーキングにも良い影響はありますが、シャドーイングだけでは英語を話せるようにはなりません。
また、シャドーイングとよく似たトレーニングで、オーバーラッピングもあります。この違いがわからないという方も実は多いです。
英語講師アン10年以上シャドーイングを指導していますが、この2つを混同している人が多いです。
この記事では、英語講師歴20年以上の私が、「シャドーイングとは何か、どんな効果があるのか」をお伝えしていきます。
リピーティングやオーバーラッピングといった学習法との違いも解説するので、自分に合うトレーニング方法がわかります。
シャドーイングはおすすめのトレーニング。記事を読んでぜひ皆さんもシャドーイングに挑戦し、英語力アップにつなげていってくださいね!
「留学しないと英語は話せない」そんな思い込みを覆したくて学び続け、留学なしでTOEIC980点・英検1級を取得。
現在は英語講師として、自らの学習経験と20年以上の指導経験をもとに、「留学なしに使える英語を身につけたい」という社会人の方へ、再現性のある学習法を届けています。
シャドーイング3つの効果
シャドーイングで得られる効果はおもに3つ。それぞれ説明していきましょう。こちらの内容は動画でもご確認いただけますので、音声で確認したい方はご活用くださいね。
リスニング力の向上
シャドーイングの一番の効果は、リスニング力の向上です。シャドーイングでは、音声を聞いて1~2語ほど遅れてくり返し発話します。
英語講師アン聞こえてきた通りに発音するので正しい発音が身につき、英語を聞き取る力がついてきます。
英語を聞き取った上で瞬時に内容を理解できるようにトレーニングするので、英文理解のスピード向上にも。
シャドーイングは集中力を必要とする難易度の高いトレーニング。しかし、続けて行うことでリスニングの体力も身につきます。
発音が良くなる
シャドーイングはリスニング力向上のトレーニングですが、トレーニングを通じて発音の改善になります。
シャドーイングでは、聞こえてきた音声をその通りに再現します。正しい発音を自分ができれば、その音を聞き取ることもできるからです。
英語講師アンその結果、正しい発音が身につきます。
特に以下のような、英語の発音ルールが見つかります。
- 音がつながって聞こえるリンキング:an egg(アネッグ)
- 音が脱落するリダクション:good day(グッデイ)
こういった音声変化ができないと、シャドーイングでスピードについていけません。トレーニングを重ねることで、自然な英語の発音ができるようになります。
スピーキング力の向上
シャドーイングは、「聞く」インプットをおこないながら「発話する」アウトプットもおこなうので、スピーキングにもつながっていくトレーニングです。
同じ英文をくり返しシャドーイングすれば語彙や定型表現なども覚えていきます。そうすれば、会話のさいにも英語が出やすくなります。
英語講師アンただし、自分で英文を作るわけではないので、シャドーイングだけでは話せるようになりません。
決して万能なトレーニングではありません。「英語を話せるようになりたい」と思うなら、話すためのトレーニングは別でおこないましょう。
- 英文暗唱
- 瞬間英作文
- 英会話レッスン etc.
なぜシャドーイングはリスニングに効果があるのか

シャドーイングの1番の効果はリスニング力のアップです。では、なぜシャドーイングがリスニングの向上につなるのでしょうか?
英語講師アンまずは、リスニングがどのようなプロセスでおこなわれるか考えてみましょう。
私たちがリスニングをするさいに以下の2つのプロセスをふみます。
- 音声知覚(音声を聞きとり単語を認識する)
- 意味理解(聞き取った単語や文章の意味を理解する)
そもそも音を聞き取れなければ内容を理解できません。音を聞きとり単語を認識し、それから意味を理解するのです。

上のイラストのように、「ゲラッ」という音を聞いてもそれが「get up」という単語と認識できないとリスニングはできません。
「get up」を「ゲットアップ」と覚えていたら、聞き取れないわけです。
英語講師アン日本人はとくに英語の発音を聞き取るのが苦手です。
発音を聞き取り単語を認識できたら、今度はそこから意味の理解にすすみます。「get up」は「起きる」という意味だと知っていれば、その情報を脳内で処理して意味を理解します。
単語や熟語の意味を知らなければ、内容の理解はできません。
英語講師アン発音を聞き取った上で意味をすぐに理解する必要もあります。
文章の聞き取りになればさらに難しくなります。

聞き取った英語を正しく理解するには
- 単語・熟語の知識
- 文法の知識
これら両方が必要になります。こういった英語の基礎知識があってはじめてリスニングができるようになるのです。
さらに、会話では前後の話の流れもふくめて意味を理解します。
A: I’m so sleepy. I had to get up early today.
(すごく眠たいよ。今日は早起きしないといけなかったんだ)
B: Oh, what time did you get up?
(へえ、何時に起きたの?)
A: At 6:00.
(6時だよ)
リスニング力をあげるためには、まずは単語や文法といった英語の基礎知識が必要です。その上で発音を聞き取り、すばやく理解できるようなスピード感も身につけていきます。
*リスニングがなかなか伸びないという人は、ディクテーションで原因を突きとめることができます。以下の記事でその方法をお伝えしていますのでご参考にしてみてください。
2種類のシャドーイングとそれぞれの効果

シャドーイングは単語や文法という英語の基礎知識をあるていど身につけてからおこなうのが効果的です。その上で、リスニングの2つのプロセス「発音の聞き取り」と「意味の理解」ができるようにシャドーイングをおこなっていきます。
リスニングのプロセスが2段階あるように、シャドーイングにも2つの段階があります。それぞれに効果も少し異なってきます。
プロソディ・シャドーイング
リスニングの第1段階である音声の聞き取りをできるようにするシャドーイングをプロソディ・シャドーイングといいます。
「プロソディ」とは「韻律」という意味です。音声学で、リズムやイントネーション、ストレス(強勢)のことを表して使われます。
英語講師アン英語のメロディーのようなものと言うとわかりやすいでしょうか。
プロソディ・シャドーイングでは、特に以下のポイントを意識して英語の発音を再現していきます。
- 英語の音声変化
(音がつながるリンキング、音が脱落するリダクション等) - 強弱のリズムや抑揚
- イントネーション
英語講師アン自分が正しい発音を再現できるようになれば、聞き取りもできるようになっていきます。
リスニングのさいの脳の働きを以下のイラストで見てみましょう。音声を聞きとるのに脳の作業スペースをたくさん使ってしまうと、意味を理解するための作業スペースが少なくなります。音声の聞きとりがスムーズにできれば、意味を理解するためにエネルギーをたくさん注げるのです。

日本人の多くは音声知覚ができていないので、ここにエネルギーをたくさん使ってしまいがちです。なので、まずはプロソディ・シャドーイングで正しい発音を身につける練習をします。
コンテンツ・シャドーイング
プロソディ・シャドーイングで音声知覚をスムーズにできるようになれば、意味を意識してシャドーイングしていきます。
英語講師アンリスニングの第2段階にすすみます。
内容を意識して行うシャドーイングをコンテンツ・シャドーイングといいます。コンテンツとは「中身」という意味です。発音だけでなく意味にも意識をむけてシャドーイングをするのです。

正しい発音で意味を意識しながらシャドーイングを行うことで、聞こえてきた英語を聞きとりすぐに意味を理解できるようにします。音声認識と意味理解の2つのステップをすばやくおこなえるようにトレーニングします。
英語講師アン意識することを変えるとシャドーイングの質も変わっていきます。
最初は発音の再現に必死で意味を意識するところまで気が回らないです。なのでまずはプロソディ・シャドーイングで発音の練習をしっかりして、それからコンテンツ・シャドーイングにすすむという2段階にわけてトレーニングする必要があります。
効果が違う|シャドーイング、リピーティング、オーバーラッピングの違い

音読のトレーニングにはシャドーイングの他にもリピーティング、オーバーラッピングがあります。この違いがよくわかっていないという人が実は多いです。
何が違うのか、それぞれにどんな効果があるのか確認していきましょう。
5つの違いとレベル別のおすすめトレーニングについては以下の動画レッスンもありますので、こちらもご活用くださいね。
リピーティング

リピーティングでは、英文を最後まで聞いたあとにくり返し発話します。英文を見ながらじっくり発音を確認できます。発話のときも自分のペースで読み上げができるので、難易度はもっとも低いです。
英語のレッスンで「Repeat after me」と言われて先生のあとについてくり返す練習をしますよね。あれと同じです。
英語講師アン初心者におすすめの練習法です。
- 自分のペースで発音できるので初心者にもやりやすい。
- 文字を見ながら音声を聞けるので、発音と単語が結びつきやすい。
英語講師アンただし、注意点もあります。
音声を聞き終わったあとに文字を見ながら発音をすると、そのさいに自己流の発音に変換されてしまうことが多いです。特に文章が長くなると、聞いた発音を忘れてしまってうまく発音できなくなります。
英語のリズムやスピードなども身につけにくいです。
- 最後まで聞いたあとに発音すると自己流の発音になってしまう。
- 英語のリズムやスピードが身につきにくい。
オーバーラッピング

オーバーラッピングでは音声の上にかぶせて発音します。音声を聞きながら同時に発話もおこなうのです。
オーバーラッピングは英語のリズムやイントネーションを身につけるのに良いトレーニングです。音声と同じ速さで練習するので、スピードについていく練習になります。
英語講師アン英文を見ながら発音するので、初心者にもおすすめです。
- 英文を見ながらできるので初心者にもやりやすい。
- 英語のリズムやイントネーションを身につけられる。
- 音声に合わせておこなうのでスピードも身につく。
英語講師アンオーバーラッピングにも注意点があります。
オーバーラッピングは「聞く」と「読む」を同時におこないます。文字を見ながら発音すると、自分の頭の中にあるカタカナ発音にひっぱられてしまうことが多いです。
私がこれまで教えてきた生徒さんもほとんどの方がオーバーラッピングでは発音の再現がうまくできません。文字を見るとつい文字通りに発音したくなるのです。
文字があることで音をきちんと聞かなくなることが非常に多いのです。
- 文字に気を取られて音をきちんと聞かなくなりがち。
- 文字にひっぱられて発音の正しい再現ができなくなる。
シャドーイング

シャドーイングでは1、2語くらい遅れて音声にかぶせるように発話します。リピーティングとオーバーラッピングの中間のような感じです。音を聞いてすぐにくり返し発音します。
英語講師アン聞こえた音をすぐにくり返すので、正しい音を再現しやすいです。
基本的にシャドーイングは英文を見ずにおこないます。これがリピーティング、オーバーラッピングとの一番の違いです。
音声のみでおこなうので初心者にはハードルが高く感じられます。しかし、文字なしでおこなうからこそ、音声にしっかり集中できるのです。
英語講師アン聞き取れないとシャドーイングはできないので、何とか聞き取ろうと音に集中することになります。
くり返し練習することでだんだんと音声が聞き取れるようになってきます。その結果リスニング力がついてくるのです。
- 音声だけでおこなうので発音にしっかり意識が向く。
- 聞こえてきた音声をすぐにくり返すので発音が再現しやすい。
- 英語のスピードも身につく。
英語講師アンメリットがたくさんありますが、難易度はいちばん高いです。
コツが必要なので慣れるまで時間がかかります。難しいので挫折してしまいがちなのも難点です。
- 初心者にはハードルが高く感じられる。
- 慣れるまで時間がかかる。
- 難しくて挫折しやすい。
ただ、3つのトレーニングの中でテキストなしで練習できるのはシャドーイングのみです。ながら学習ができるので、忙しい社会人に向いている学習ともいえます。
初心者は再生スピードを落としてみるなど工夫することで、シャドーイングのハードルが下がります。
英語講師アンシャドーイングの前にリピートやオーバーラッピングをしておくのがおすすめです。
いきなりシャドーインをするのではなく、段階を踏んで取り入れていけば効果的な学習が可能です。
結局どれが一番いいのか
リピーティング、オーバーラッピング、シャドーイングの違いがわかったけど、じゃあ結局どれをするのが一番おすすめなの?そんな疑問が出てくるかもしれませんね。
3つのトレーニングはそれぞれにメリット・デメリットがあり、それぞれ補完し合う関係にもあります。なので、全部やるのが理想です。
以下の順番で行うのがおすすめ。
- リピーティング
- オーバーラッピング
- シャドーイング
この順番で難易度も上がっていきます。以下のように、レベルに応じてどのトレーニングにより時間をかけるか変えていくと良いです。
初心者:①リピーティングをしっかり
中級者:②オーバーラッピングをしっかり
上級者:③シャドーイングをしっかり
中級レベル以上になるとリピーティングは省略してもかまいません。逆に、初心者はシャドーイングまでたどり着けなくてもOKです。
ただ、3つのトレーニングの中でテキストなしでできるのはシャドーイングのみです。家事をしながら、歩きながらなど「ながら学習」ができるのもシャドーイングの利点です。
英語講師アンステップ①や②で準備をしておいた上で、隙間時間で③のシャドーイングを取り入れるのがおすすめ。
シャドーイングがどうしても難しい、スピードについていけない、という人は以下の記事もご参考にしてみてください。
効果的!シャドーイングおすすめのやり方

シャドーイングをするときはオーバーラッピングなども含めておこなうのがおすすめです。シャドーイングでより効果を得るためのおすすめのトレーニング手順をお伝えしましょう。
- 英文を見ずに音声を聞いてリスニング理解度をチェック
- スクリプトを確認して内容をチェック
- 英文を見ながら音声を聞いて発音を確認
- 英文を見ながら音声に合わせてオーバーラッピング
- 英文を見ずにプロソディー・シャドーイング
- 意味を意識しながらコンテンツ・シャドーイング
これが基本の流れですが、初心者は③のあとにリピーティングを入れると良いでしょう。上級者は④のオーバーラッピングを少なめにしてシャドーイングを多くします。
英語講師アン自分のレベルに合わせてアレンジしてみてください。
トレーニングの際は、色んな英文をちょっとずつシャドーイングするのではなく、1つの教材でくり返しおこなうようにしてください。
シャドーイングにおすすめのアプリ3選
効果的なトレーニングをするには、シャドーイングアプリを活用するのがおすすめです。特に音声添削を受けられるアプリを使えば、上達がより早くなります。
| アプリ名 |
|
|
|
| コンセプト |
シャドーイング特化 発音・リスニングを向上 |
リスニング+スピーキング力も向上 | 英語の総合力アップ |
| 月額料金(税込) | 21,780円 | 21,780円 |
添削なし:4,378円 添削あり:21,780円 |
| トレーニング内容 |
1. リスニング 2. スクリプトと日本語訳の確認 3. オーバーラッピング 4. シャドーイング 5. シャドーイング音声を提出 |
1. リスニング 2. 音声変化チェック 3. 語彙・和訳チェック 4. シンクロリーディング 5. プロソディー・シャドーイング 6. コンテンツ・シャドーイング 7. なりきり音読 |
1. リスニング 2. 単語学習 3. チャンク・リーディング 4. シャドーイング 5. 日本語訳の確認 |
| 教材 |
文化・エンタメ・ビジネスetc. 1,000以上の教材 |
ビジネス・日常会話・時事 毎日3教材配信 |
ビジネス・日常 毎週11記事配信 |
| 学習時間 | 1日30分 | 1日40分 | 1日15〜40分 |
| その他の特徴 |
LINE学習サポート 発音動画etc. |
LINE学習サポート 発音動画etc. |
認知英文法の動画 TOEIC割引受験etc. |
| 無料体験 | 7日間 (添削あり) |
10日間 (添削あり) |
7日間 (添削なし) |
| 公式HP | 公式HP | 公式HP | 公式HP |
シャドテン
シャドーイングアプリとして最も有名なのが、コーチングスクールのプロットが提供するシャドテン。プロソディ・シャドーングに特化した学習で、発音を聞き取る耳を徹底的に鍛えます。
英語講師アン特化アプリで、シャドーイングのしやすさは抜群です。
プロのコンサルタントが添削をしてくれるので料金は高めですが、それだけの価値はあります。
英語を読めばわかるのに聞き取れないという方に特におすすめ。7日間無料で使えるので、気になる方はまず体験してみてはどうでしょうか。
シャドーイングバディ
コーチングスクールのトライズが提供するシャドーイングバディは、初心者にも取り組みやすいアプリ。音声変化が色付けで表示されるので、自分の耳だけでは聞き取れない方でも学習しやすいです。
英語講師アンシャドーイングではなく音読の音声を提出するので初心者でも安心。
意味を意識したコンテンツ・シャドーイング、スピーキングにも役立つなりきり音読などトレーニング内容が豊富。
シャドテンと同様に、プロのコンサルタントが丁寧に添削してくれます。
リスニングだけではなく、スピーキングも含めてバランスよく学習したい人におすすめです。10日間の無料体験があるので、まずはお試ししてみましょう。
シャドプラス
同じくコーチングスクールのENGLISH COMPANYが提供するアプリがシャドプラスです。シャドーイング前の準備が丁寧なのが特徴。
英語講師アン単語や文法、読解も学習できます。
シャドプラスでもプロのコンサルタントが丁寧に添削してくれます。添削なしのプランも用意されているので、料金を抑えて学習したい人にも嬉しいです。
リスニングに特化せず、英語の総語力を上げたい人におすすめです。
添削なしのバリュープランを無料体験できます。文法動画が見れたり、特典も多いので試してみる価値あり。
3社のアプリの詳しい違いや、その他のシャドーイングアプリについても知りたい人は、以下の記事も合わせてお読みくださいね。
まとめ:シャドーイングはリスニング力アップに効果抜群
シャドーイングは特にリスニング力の向上に効果があるトレーニングです。正しい英語の発音を身につければ英語の聞き取りができるようになります。英語を理解するスピードも上がってきます。
同じ英文でくり返しシャドーイングすることで単語や定型表現の定着にもつながり、スピーキング力の向上にも役立ちます。
- リスニング力の向上になる。
- 英語の音声変化やリズムなどが身につく。
- スピーキング力の向上にもつながる。
- シャドーイングだけでは英語を話せるようにはならない。
- 英語の基礎力をつけてからおこなう方が良い。
- 慣れるまで時間がかかり初心者は挫折しやすい。
万能なトレーニングではありませんが、おすすめの学習法であるのは間違いありません。リピーティングやオーバーラッピングと組み合わせていけばより効果的な学習がおこなえます。目的や注意点を理解してぜひ積極的に取り入れていきましょう!



コメント