- TOEIC980点、英検1級
- 留学経験ゼロで英語を習得
- 大手英会話スクールで10年以上指導
- 大学・法人研修講師10年以上
- 講師歴はトータル20年以上
- 日英翻訳の経験多数
シャドーイングをしていて「どうしてもスピードについていけない」ということがありますよね。

このまま続けていても意味があるのかな?



シャドーイングは自分にはまだ難しいのかもしれない。



コツをつかんでやれば上達していきますよ。
シャドーイングについていけない原因を考えて、対策をとっていけばだんだんと上手くなっていきます。
この記事では、「シャドーイングのスピードについていけない」という悩みを解消するためのコツやアドバイスをお伝えしてきます。
記事を読んでシャドーイングに取り組み、英語力の向上につなげていってください。シャドーイングが少しずつ楽しくなってくるはずです。
- シャドーイングでスピードについていけない原因
- シャドーイングでスピードを上げるための発音のコツ
- シャドーイングについていけないときの対処法
- シャドーイングにおすすめの教材・アプリ


なぜシャドーイングするのか


英語学習をする上で大切なのはなぜこのトレーニングをするか理解しておくことです。そうでないと、トレーニングを続けるのが辛くなってきます。良いと言われるからとりあえずやってみるというのではなく、何のためにやっているのかを意識しておくとトレーニングも前向きに取り組みやすいです。
シャドーイングの一番の目的は、英語の正しい発音を聞き取れるようにすることです。英語リスニングができない大きな理由は発音を聞き取れないからです。自分が発音できる音は聞き取れる、シャドーイングを通じて正しい発音を身につけるのです。
シャドーイングでは英文を見ずに音声だけを聞いてトレーニングします。だから難しいのですが、英文がないからこそ音を一生懸命聞こうとするのです。
たとえ上手く再現できなかったとしても、英語の発音を聞こうと意識することに意味があるのです。



うまく言えなくても大丈夫。音声に意識を向けることが大切!
シャドーイング基本の手順


シャドーイングをどのような手順でおこなうのか、基本の流れを確認しておきましょう。
- スクリプトを見ずに英文を聞く
- スクリプトを確認して内容をチェック
- 英文を見ながら音声を聞いて発音を確認
- 英文を見ながら音声に合わせてオーバーラッピング
- 英文を見ずにシャドーイング
基本の流れはこのようになります。慣れてくればオーバーラッピングを飛ばしてシャドーイングから入るなどアレンジすることもできます。
同じ英文を使って3~4日くらい毎日おこなうのがおすすめです。色んな英文をちょっとずつシャドーイングするのではなく、1つの教材でくり返しおこなうようにしてください。
なぜシャドーイングでスピードについていけないのか


シャドーイングではまず発音を正しく再現するように目指します。この発音の再現が日本人には難しいです。



スピードについていけないし、口が回らない。
スクリプトを見ながらオーバーラッピングをしても速さについていけないことがあります。なぜスピードについていけないのか、考えられる原因は3つあります。
単語を知らない
自分の知らない単語は発音もうまくできません。そもそも単語になじみがないので、発音するときにも引っかかります。
聞いたことはあるけど意味をよく知らないという場合もシャドーイングでつまりがちです。
苦手な単語は文字を見ながら音読しても同じように引っかかるものです。



確かに、テキストを見ながら音読しても上手く言えない単語があるわ。
英文の内容を理解できていない
文章の意味がよく理解できていないとシャドーイングはスムーズにいきません。
意味が理解できないのは単語だけでなく、文法がよくわかっていないことが原因の場合もあります。
- 文章の主語はどこまでか
- 動詞の目的語はなにか
- 関係代名詞がどのように使われているかetc.
内容を理解できないままシャドーイングをすると、スムーズに発音できないものです。シャドーイングの効果も半減します。
それでも難しようなら教材のレベルを下げてみることも検討してみてください。
英語の正しい発音を知らない
英語がナチュラルスピードで発音されると、音がつながったり消えたりという音声変化がたくさん起こります。これにより音の数が減ってスピードが上がります。
さらに、日本人は英語を発音すときに余計な母音を入れてしまいがちです。



いわゆる「カタカナ英語」ですね。
こうしてもとの英語の音声にはない音をたくさん入れてしまうと、発音のスピードが落ちてしまいます。
また、英語は日本語よりずっと強弱のリズムがはっきりしてメリハリがあります。これを日本語の感覚で、一語一語ていねいに発音しているとやはりスピードが落ちます。
(英文) I like it.
(カタカナ発音)アイ ライク イット
(ネイティブ) アイライキッ



だから英語は速く聞こえるのね。
日本語の感覚で英語を発音すると、全体的に音の数が増えてしまいます。そのため日本人がシャドーイングをするとスピードについていけないことが多いのです。
シャドーイングについていけない!スピードを上げる発音のコツ


スピードについていけない最大の原因は「発音」です。余計な音を入れてしまったり、一語一句ていねいに発音してしまうとスピードが落ちてしまいます。
以下に書くポイントを意識してシャドーイングすると英語の発音に近づいていきスピードが上がっていきます。
余計な母音を入れない
日本語は母音が多い言葉です。一方で英語は母音を含まず子音だけで発音する音もたくさんあります。
日本人にとってこれが難しいのです。つい余計な母音を入れてしまいます。



まず、子音だけで発音する練習をしてみましょう。
例えば、deskを日本語では「デスク(desuku)」と発音し、母音が3つ入っています。でも、英語では母音は「デ(de)」の1音だけです。sとkのあとには母音が入りません。
日本語のように「ス」と言うと、s のあとに「ウ」という母音が入ってしまいます。実際には息だけの音です。kの発音も同じです。こういった子音の発音を練習してみるのもおすすめです。
音がつながるリンキングに気を付ける
2つ以上の単語が続いたとき、最初の単語が子音でおわり、次の単語が母音で始まるとき音がつながります。
子音 + 母音 = 音がつながる
ローマ字を思い出してもらうと分かりやすいでしょう。k のあとに i が続けば ki「キ」になりますよね。それと同じ要領で、like のあとに it がくると、つながって「キ」と発音されます。これがリンキングです。
like it → ×ライクイット
〇ライキット
別々に発音するよりもつなげた方が早く発音できます。音の数が減るからです。
音が脱落するリダクションに気を付ける
リンキングは子音+母音で音がつながりましたが、子音+子音の場合は音が消えます。これをリダクションといいます。
子音 + 子音 = 最初の子音が消える
例えば、getのあとにbackが続くと最初のtが消えます。
get back → ×ゲットバック
〇ゲッバック
リンキングと同じく音の数が減るので、発音のスピードが上がります。特に破裂音と呼ばれる「t, d, p, b, k, g」の音は消えることが多いです。さらに破裂音は単語の語尾でも消えることが多いです。
like it → ライキット → ライキッ
get back → ゲッバック → ゲッバッ
英文を見直してみて「t, d, p, b, k, g」の音がないか確認してみましょう。それから改めて音声を聞き直してみてください。音が消えていませんか?
メリハリを意識する
日本語は一つ一つの音を丁寧に発音し、全体として平坦なリズムになることが多いです。それに対して英語は強弱のリズムがはっきりしていてメリハリがあります。
このリズムを意識することでもシャドーイングのスピードが上がっていきます。
英語のメリハリを再現する時に気をつけたいのは、弱く読まれる箇所です。日本人が苦手なのは「弱く発音する」ことです。英語のリズムを再現しようと思えば弱く読む練習をしてください。
例えば、「I like it」 というとき、動詞のlikeを強く発音し、主語の「I」 と目的語の「it」は弱く発音します。
I like it → ×アイライキッ
〇アイライキッ
弱い箇所で力を抜いて、強く読むところはしっかり発音します。このように強弱を意識していくと、英語のメリハリを出しやすくなります。
シャドーイングについていけないときの対策


シャドーイングがなかなか上手くいかないという場合は、以下のことを試してみましょう。
単語の意味を確認する
同じ単語で毎回つまずくなら、改めて単語の意味をチェックしてみましょう。意味がぼんやりしていたり、発音があいまいだとついていけないことが多いです。



事前に単語の意味は確認し、発音もチェックしておきたいです。
その単語のみ何度か音読をして、口を慣らしてからシャドーイングに入ると良いです。
英文の意味を再確認する
内容の理解が十分でないと感じるなら、時間をとって確認してみましょう。



英文の意味をしっかり確認してからシャドーイングに入ることが重要です。
シャドーイングの前に英文スクリプトを確認したときに、意味の切れ目にスラッシュを入れてみるのもおすすめです。スラッシュ・リーディングといって読解力を上げる学習法ですが、シャドーイングのさいにも使えます。
(スラッシュリーディングの例)
Last weekend, I went to a restaurant a friend of mine recommended and I really liked it.
→ Last weekend, /I went to a restaurant / a friend of mine recommended / and I really liked it.
教材を変えてみる
内容が理解できない、何度やっても上手くできないという場合は、使っている教材のレベルが自分に合っていないかもしれません。
知らない単語が多い、文章が長くてわかりづらいと感じるならおそらくその教材はあなたに合っていないです。



シャドーイングは少しやさしめの教材で行うのがおすすめです。
辞書など引かずに7割から8割くらいは理解できる英文を使うようにしましょう。
オーバーラッピングを増やしてしてみる
どうしてもシャドーイングが難しいと感じるなら、スクリプトを見ながらのオーバーラッピングの回数を増やしてしてみましょう。
特に初心者にはオーバーラッピングの方がとっつきやすいです。スクリプトがあると安心感があります。まずはオーバーラッピングでしっかり慣らしてからシャドーイングに入ってください。



難しい箇所だけくり返し練習してみるのもおすすめです。
ただし、オーバーラッピングをやり過ぎると文章を覚えてしまってシャドーイングの効果が薄れることがあります。オーバーラッピングは暗記しない程度にとどめておくのがおすすめです。
基本の流れにそってシャドーイングをしたあとに再びオーバーラッピングに戻ってみるのが良いですよ。
オーバーラッピング → シャドーイング → オーバーラッピング
このように交互にやってみるのもおすすめです。
シャドーイングをしてみて言えなかったところを確認するためにオーバーラッピングに戻る。確認できたらまたシャドーイングに挑戦する。そうやって少しずつシャドーイングを増やしていくといいですね。
速度を落として練習する
音声スピードが速すぎると思うなら再生速度を落として練習してみましょう。
0.6倍速、0.7倍速、0.8倍速などスピードを変更して練習して、少しずつナチュラルスピードに近づけていきます。



ゆっくり速度で聞いてみると音の変化もわかりやすく発音の確認にもおすすめです。
リンキングやリダクションなどの音声変化はスピードが速いと聞き取りにくいです。あえてスピードを落として聞いてみるとわかりやすくなります。できるだけスピード変更できる教材を使いましょう。
ただし、いつもゆっくりスピードでばかりで練習していると速いスピードの英語についていけるようになりません。最終的にはオリジナル音声のスピードでできるようになるように目指していきましょう。
シャドーイングにおすすめの教材・アプリ


シャドーイングにおすすめの教材やアプリをご紹介します。
発音の改善におすすめの教材


英語の発音について知りたい方におすすめの書籍です。初心者はもちろん中級レベル以上の方でも、発音を改善したい方はぜひ読んでみてください。
母音をなくして子音のみを発音する練習や、リンキングなどの音声変化についても詳しく書かれています。発音練習のエクササイズも豊富でスマートフォンでも音声を聞けるのがとても便利です。再生スピードの変更もできます。
初心者のシャドーイングにおすすめの教材


キクタンBasicは単語学習の教材ですが、単語や例文を使ったシャドーイングにおすすめです。長い文章でシャドーイングをするのが難しいと感じる初心者は、短い文章で始めてみると取っつきやすいです。
語彙学習をしながらシャドーイングをするので、「単語がわからない」という問題が解決できます。
キクタンでは単語をチャンツというリズムで覚えるので、英語のリズムを身に付けるにもおすすめです。アプリで音声を聞けば再生速度の変更も自由にできます。
ビジネス英語のシャドーイングにおすすめの教材


TOEIC対策をしたい方やビジネス英語を学びたい方にはTOEICの英文を使うのがおすすめです。
abceedというアプリで音源を聞けます。再生スピードを変更できるので、少しずつ速度を上げていきながら練習してみてください。シャドーイング初心者はパート2の短い文章から練習すると良いですね。中級レベル以上の方にはパート4がおすすめ。
初心者から中級レベルにおすすめの教材


音読練習のためにTOEICパート3、パート4の音源を集めた書籍です。
チャンクごとに間にポーズが入った音源もあります。リピートはもちろんシャドーイングにも活用できます。ポーズ入り音声は、スピードが速くてついていけないという人に特におすすめです。
テキスト記載の学習の流れでは、音読とリピート、オーバーラッピングのみの学習になっていますが、ここにぜひシャドーイングも取り入れてみてください。
早く上達したい人におすすめのアプリ
自分のシャドーイング音声を毎日1回添削してもらえます。LINEでの学習サポートもあるので初心者でも安心して学習に取り組めます。
シャドーイングは添削してもらうと上達がはやいです。効率良くい学習で早く結果を出したい人におすすめのアプリです。
毎日音声添削をもらえるサービス【シャドテン】
シャドテンアプリについては以下の記事で詳しく書いていますので、興味のある方は合わせてお読みください。


まとめ
シャドーイングをしていてスピードについて行けないというときは、以下の3つのどれかが原因です。
- 単語を知らない
- 文章の意味を理解できていない
- 正しい英語の発音を知らない
知らない単語が多すぎたり文章の内容を理解できないようなら、教材を変えてみることも検討しましょう。
発音が原因の場合は以下のポイントに気をつけてください。
- 余計な母音をなくす
- 音のリンキング、リダクションを意識する
- 強弱のメリハリを意識する
難しければ再生スピードを落として練習してみましょう。ゆっくりスピードから少しずつ速度を上げていくようにしてください。スクリプトを見ながらのオーバーラッピングを増やすのも良いです。
どうしても1人で上手くいかないようならコーチについて練習するのがおすすめです。シャドーイングを添削してもらいアドバイスを受けながら練習すれば上達がはやいです。
効率良く学びたい人はシャドーイングの添削を受けることも検討してみましょう。
\ 今なら7日間無料で体験できる /
/リスニング向上に早く効く!\
コメント