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アン
英語講師&学習コンサルタント
留学経験ゼロで英語を習得しました。
大手英会話スクールで講師を務めた後、現在は大学や企業研修、オンラインスクール等で教えています。日英翻訳者として大手企業やWebサイトの翻訳経験もあり。
TOEIC980点、英検1級取得

【実体験あり】ネイティブレベルの英語力は独学で可能?目指すべきレベルと学習のコツ

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他の人からは「英語ペラペラ」と思われているけど、自分では「英語力がまだ足りない」「もっと上達したい」そんな風に感じている人はいませんか?

実は私も全く同じでした。中級レベルから上級レベルになかなか上がれない。ネイティブの早口の英語が聞き取れない。英会話講師をしている時ですらそう感じることが多々ありました

それがいつしかストレスなく英語を話せるようになり、ネイティブの同僚から「君の英語はネイティブレベル」と言ってもらえるまでに上達。

英語講師アン

トータルで10年位かかりました。長い道のり!

この記事では、私が留学経験なしに、ネイティブから「ネイティブレベル」と言われるまでになったプロセスをお伝えします。ネイティブレベルとは何なのか、そもそもネイティブレベルの英語力を身に付ける必要はあるのかについても考えていきます。

中級レベルで伸び悩んでいる人、目指すべき学習の方向性が見えなくなっている方の参考になれば嬉しいです。記事を読み終えたら、今自分がするべきことが見えてくるはずです。長くなりますが、ぜひ最後までお付き合いくださいね!

この記事を書いている人

Anne(アン)

英語講師/学習コンサルタント
大学時代、英語科に進学したものの英会話力はゼロ。悔しさをバネに努力を重ね、留学なしでTOEIC980点・英検1級を取得。自らの経験をもとに、英語学習に役立つ情報を発信しています。
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目次

ネイティブレベルまでに何年かかったのか?

「ネイティブレベルの英語力を身に付けるのに、何年かかるのか」気になりますよね。いわゆる「ペラペラレベル」と「ネイティブレベル」は別だと私は思っています。後で詳しく書きますが、ペラペラは中級レベル、「ネイティブレベル」はそのさらに上の上級レベル。

中高での英語学習は別としてカウントすると、かかった年月は主に以下の通り。

  • ペラペラレベル:簡単な英語でそれなりにスムーズに会話ができるまでに約2年
  • ネイティブレベル:複雑な文章も使ってストレスなく流暢に話せるまでに約10年

とは言え、「ネイティブレベル」の基準は曖昧です。本当にネイティブと同じレベルかと言うとそうではないと思います。これまで私は何人かの英語ネイティブから「ネイティブレベル」と言われました。おそらく以下のようなことを評価されたのではと思っています。

ネイティブレベルの評価基準
  • 発音に日本語訛りがない
  • ネイティブのナチュラルスピードの英語を聞き取れる
  • 流暢な英語でスムーズなコミュニケーションが取れる
  • ネイティブが使うような自然な英語を話している
  • 単語や文法の用法が適切である

これら全てを満して「ネイティブレベル」というのであれば、英語学習開始からおそらく10年位はかかっていたと思うのです。

発音に関しては、学生時代にクリアしています。講師の仕事を始めた時点で既に、話題は限定されるもの身近な話については流暢に話せました。この当時知り合った英語ネイティブからも「留学経験がないなんて信じられない」とよく言われました。

英語講師アン

この頃で自己評価で言うならば、中級レベルで英語力。「英語ペラペラ」レベルではあるものの、まだ上級レベルではありませんでした。

1番苦戦したのは②のリスニングです。実は、今でも洋画や海外ドラマを字幕なしに100%理解できるわけではありません。それでも、ネイティブの友人と話すときに英語が聞き取れず困る事はありません。ストレスを感じずに、英語でコミュニケーションを取れるようになったのが、およそ10年後でした。ちょうどその頃に英検1級にも合格しています。

ちなみに「ペラペラ」までの学習内容は以下の記事で書いていますのでご参考にしてください。

そもそもネイティブレベルとは何か

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中級レベル位でも英語をペラペラ話すことは可能。でも、ネイティブレベルとなると話は違います。そもそも「ネイティブレベル」とはどんなレベルなのか考えてみましょう。

ネイティブにも色々いる

実は「ネイティブレベル」と言うのは非常に曖昧です。考えてみてください。日本語を勉強している外国人が「ネイティブレベルの日本語力を身に付けたい」と言ったなら、どう感じますか?

あなたやあなたの友人、家族、プロのライターや小説家、大学教授、みんな同じ日本語ネイティブです。でも日本語力には大きな差があるはず。一括りにして「ネイティブレベル」とまとめてしまうのは無理があると思いませんか?

英語講師アン

年齢によっても変わりますよね。小学生、中高生、大学生、社会人、みんな同じネイティブです。

なので、ネイティブと言ってもどのレベルを指すのかをまずは考える必要があるのです。

ネイティブの語彙力

ここからはスキル別にネイティブレベルを分析してみましょう。年齢や職業によって最も大きく変わるのが語彙力です。小学生と大学生では、語彙力に大きな差があります。また大人になるほど、語彙力に個人差も出てきます。

ネイティブレベルの語彙力を目指そうと思ったら、以下のような単語を覚えていく必要があります。

  • 日常生活で必要な語彙力
  • 友人同士で使うような少し砕けたスラング
  • 教養のある大人として必要な語彙力

日常生活に密着した語彙は、海外で生活しないと身に付けるのが難しいです。外国人の子供が知っている単語を、大人の英語学習者が知らないという事は普通にあります。口語的な砕けた表現も、外国人と普段から英語を話す機会がないと難しいです。

その一方で、洋書や英字新聞などを読んでいれば、難易度の高い語彙力を身に付けることは可能です。日本人の学習者で、難しい単語は知っているのに、子供でも知っている簡単な単語を知らないことがあるのはこのためです。

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ネイティブレベルの語彙力にも非常に幅があるということ。自分がどんな英語力を身に付けたいかを考えることが大切です。

また、語彙知識だけでなく、単語や熟語の微妙なニュアンスの違いなどは理解するのに時間がかかります。単語を読んだり、聞いたりして理解できても、実際には正しく使えないことがよくあります。語彙数を増やすだけでなく、理解の深さも伴って初めてネイティブレベルと言えるわけです。

ネイティブの文法力

日本人で敬語を正しく使えていない人は意外と多いですよね。特に、会話では多少文法が間違えていても通じます。英語でも同じことが言えるので、文法力にも個人差があります。

その一方で、冠詞の使い方や現在完了形など、日本語にはない英語特有の概念をネイティブはしっかり感覚で捉えています。文法を説明はできなくても、ちゃんと使い分けはできるのです。

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日本人の英語学習者が、ネイティブレベルで文法を理解するのはとても難しいです。

知識としては習得できても、ネイティブの感覚を身に付けるにはかなりの時間を要します。特に、時制、前置詞、冠詞、名詞の可算・不可算などをネイティブレベルで使いこなすのはほぼ不可能と思っておいた方が良いでしょう。

ネイティブのリスニング力

ネイティブのリスニング力は総じて高いです。ただし、リスニング力は語彙力や経験、集中力などによって大きく変わるので、英語圏の人たちも、自分が普段接していないジャンルの会話には苦戦します

ただし、単語や背景知識さえあれば、発音の聞き取りに苦戦する事はありません。方言などで訛が強くなければ、リスニング力そのものは高いです。

日本人が最も苦戦するのは、英語の発音の聞き取り。英語学習者がネイティブレベルのリスニング力を身に付けるには、さまざまな音声に触れ英語の発音になれる必要があります。

ネイティブのスピーキング力

英語を母語とする人でも、話す力にはばらつきがあります。ネイティブレベルのスピーキング力を目指す場合、誰を手本にするかも大切です。

話すのが得意で表現が豊かな人もいれば、口数が少なく、語彙力が乏しい人もいます。ビジネスの場で論理的に話せるネイティブもいれば、カジュアルな会話はできてもかしこまったスピーチが苦手な人もいます。

目指すところを明確にしておかないと、友達との砕けた会話はできてもビジネスでは通用しない英語力になってしまうこともあるので注意が必要です。

ネイティブの読解力

ネイティブの中でも「読むのが苦手」「文章を読むのが嫌い」という人は多くいます。日本人でも同じですよね?新聞や小説、ビジネス文書など、内容に応じて必要とされる読解力のレベルは異なります。また、文化的な背景や比喩表現を理解する力は、個人の経験や教養によって差が出やすいです。

ちなみに英検1級の長文を同僚の外国人に見せたところ、「アメリカの大学入試問題みたい」と言っていました。

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つまり、ネイティブでもある程度教養がなければ英検1級の問題は解けないということです。

リスニングやスピーキングではネイティブには敵わなくても、読解は努力次第でネイティブに追いつける可能性があるでしょう。

ネイティブのライティング力

ライティングもまた、ネイティブの中で得意・不得意が大きく分かれるスキルです。話すのは得意でも、論理的に文章を書くのが苦手な人は少なくありません

文法や構成を意識して書けば、日本人の英語学習者の方が「正確で論理的な英文」を書けることもあります。ライティングは後天的なトレーニングで伸ばしやすいため、地道に取り組めばネイティブ以上の成果を出すことも可能です。

そのためには、自然な言い回しや語彙の使い分け、読みやすい文章のリズムなどを身に付ける必要があります。良質な英語にたくさん触れ、たくさん書くなどの努力が必要なのは言うまでもありません。

ネイティブレベルの英語力を本当に目指すべきなのか?

そもそも、なぜ「ネイティブレベル」にこだわるのでしょうか?英語学習の目的は様々。すべての人が「ネイティブレベル」を目指す必要はありません。改めて、ネイティブレベルの英語力を目指す意義について考えてみましょう。

まずは英語学習の目的を明確に

英語学習の理由は人によってさまざまです。海外旅行が目的の人、外国人の友人と会話を楽しみたい人、単純に英語が話せたらかっこいいと感じている人もいるでしょう。

中でも高い英語力が必要なのは、英語を仕事にしている、または将来したいと思っている人です。特に、通訳や翻訳のような専門職は、ネイティブと同等もしくはそれ以上の精度が求められる場面もあります。

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私自身、英訳の仕事をしていた時は、「ネイティブが読んで違和感を持たない英文を書く」ことを目指していました。

そういった仕事では、正確さだけでなく、自然さ、言い回しのバリエーション、文体のコントロールなど、非常に高度なスキルが必要になります。「ネイティブレベルを目指す」という目標は、英語のプロフェッショナルにとっては当然の挑戦なのです。

一方で、全員がネイティブを目指す必要はありません。英語を使って日常会話や仕事ができればいいという人もいれば、趣味で英語を楽しみたいという人もいます。だからこそ、自分の目的や必要なレベルをはっきりさせることが、学習の方向性を決めるうえで非常に重要なのです。

日本人が目指すべきは「準ネイティブレベル」

ネイティブレベルの英語力を目指す必要のある人がいる一方で、多くの学習者にとってはそこまでを目指す必要はありません。むしろ、現実的な目標としておすすめしたいのが、「準ネイティブレベル」です。

ここで言う準ネイティブとは、ネイティブのような感覚をある程度身につけ、英語でのやり取りに困らないレベルのこと。

  • 日常会話を自然にこなせる
  • 海外出張やオンライン会議でしっかり発言できる
  • 英語のニュースや本をストレスなく読める
  • 自分の意見を英語で論理的に伝えられる

こういった実用的な力を指します。完璧なネイティブ表現をすべて使いこなす必要はなく、相手の意図を汲み取れ自分の意見や思いを伝えられる英語力がゴールです。

このレベルなら、留学や長期の海外経験がなくても十分到達可能です。実際、海外経験なしで英検1級に合格した人や、英語で商談・プレゼンをこなしているビジネスパーソンはたくさんいます。

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「ネイティブレベルにならなければ」と思い込むのではなく、自分の生活や仕事に必要な英語力を目指すほうが、学習もずっと楽しく続けられますよね。

言語スキルだけでなく中身が大事

英語が話せても、話す中身がなければ会話は続きません。逆に、伝えたいことが明確であれば、多少英語が拙くても相手に伝わることがあります。

語彙や文法の知識はもちろん大事ですが、自分の意見や体験をしっかり持って伝えられることが、相手からの信頼や共感につながるのです。聞く価値があると相手が判断すれば、しっかり耳を傾けてくれます。逆に、どんなに流暢に英語を話していても、内容が乏しければ耳を傾けてもらえないのです。

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ネイティブレベルの英語力という表面的なことにばかりとらわれるのはナンセンス。

英語を話す力だけでなく、人としての中身を磨いてこそ、本当に価値あるコミュニケーションが取れるのです。

私が素晴らしいと思う日本人の英語話者は緒方貞子さんです。彼女の英語を聞いていると、「ネイティブレベルかどうか」という議論をするのは馬鹿らしく思えてきます。

実はネイティブを超えることもできる

「ネイティブ=完璧」というわけではなく、話すのが苦手なネイティブもいれば、論理的な文章が書けないネイティブもいます。逆に、非ネイティブの中にも、しっかりとした構成で読みやすい英語を書ける人もいます

おそらく、先ほどの緒方さんの英語を聞いて内容を理解できないネイティブもいるでしょう。

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彼女と同じレベルの洗練された英語を使えないネイティブもいるはずです。

英語を母語としない人でも、意識してトレーニングを積めば、分野によっては「ネイティブを超える」ことも可能なのです。

多くの人が中級レベルで伸び悩む理由

日本人の英語学習者が目指すべきは、準ネイティブレベルとお伝えしました。しかし、多くの人が中級レベルで足踏みして、上級レベルに到達できずにいます。中級レベルを脱出して、高い英語力を身につけるためには何が必要なのか考えてみましょう。

語彙不足

簡単な英語は話せるようになっても、使う語彙や表現がワンパターンになってしまう人は多いです。

特に、TPOに合わせたいろいろな表現を使い分けられるようにするためには、幅広い語彙の習得が欠かせません。使える語彙が多ければ多いほど、自分の考えや感情を的確に、そして自然に表現できるようになります。そのため、常に語彙力をアップデートし続ける姿勢が大切です。

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私も語彙力が課題なので今も勉強中です。

文法力不足

「伝わればいい」と言って、文法をあまり重視しない学習者もいますが、ある程度以上のレベルを目指すなら文法の理解は不可欠です。実は、中学レベルの文法だけでも、日常会話はある程度こなせます。しかし、中級レベルまではそれでも十分ですが、上級レベルを目指すには不十分です。

上級を目指すなら高校レベルの文法が必要になってきます。仮定法や分詞構文、関係詞などを使いこなせると、より正確で洗練された表現ができるようになります。

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特に読解やライティングでは、文法力不足で伸び悩んでいる人が非常に多いです。

コンフォートゾーンから出られない

英語がある程度わかってくると、知っている表現や文章パターンばかり使ってしまうことがあります。それで十分に会話が成立するからです。これが「コンフォートゾーン」です。

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楽ですが、そこに留まっていると伸び悩みます。

成長には、ちょっと背伸びが必要です。あえて少し難しい教材で勉強してみる、新しい表現をあえて使ってみるなどコンフォートゾーンから意識的に出る努力が必要です。

表現力アップにはアプリを活用した学習もおすすめです。普段使うのとは違う単語や言い回しをインプット・アウトプットできます。

英語に触れる時間が少ない

どんなに質の高い学習をしていても、そもそも英語に触れる時間が短ければ上達は限られます。英語力は「どれだけ英語に触れるか」に比例する部分も大きいのです。

読む・聞くといったインプットの量を増やすことで、英語を英語のまま理解できるようになり、自然な言語の感覚も磨かれていきます。さらに、アウトプットの機会を持つことで流暢さが鍛えられ、「わかる」から「使える」へと知識を変えていくことができます。

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でも、日本で普通に生活をしていると、英語に触れる時間が圧倒的に少ないです。

1日10分の学習よりも、1日60分の方が当然伸びます。忙しい中でも、英語を「生活の中に組み込む」工夫が必要です。仕事で忙しい社会人には、アプリを活用したスピーキング練習もおすすめです。なんとか英語に触れる時間を捻出しましょう。

私がやったネイティブレベルに近づくための独学勉強法

私が英会話講師として仕事を始めた時、既にTOEICは800点以上あり、それなりに英語も話せました。でも会話力は上級レベルというには足りなかったと思います。その後、「準ネイティブ」として十分な英語力を身に付けるまでに私が行った勉強法をいくつかお伝えします。皆さんの学習の参考になれば嬉しいです。

英文を暗記するまで音読

学生時代からずっと音読は徹底して行っていました。講師になってからは、レッスンで使用する教材の音読やシャドーイングを繰り返し行いました。同じ教材を使って何度もレッスンするので、結果として、文章を全て暗唱できるまでになります。

教材の英文は決して難しいものではありません。英会話用の教材なので、会話でよく使う表現ばかり。つまり実践で使える表現が満載だったということです。

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それを覚えるまで音読したのは、スピーキング力アップに大いに役立ったと思っています。

特に知識レベルとスピーキングレベルに差がある人は、そのギャップを埋めるためにも、まずはやさしい英文を使った音読を徹底するようにしましょう。そこから少しずつ難易度を上げていくといいです。以下の記事でも、私がスピーキング力を上げるために行った学習法を書いていますので、ご参考にしてください。

シャドーイング

音読と合わせてシャドーイングも行いました。英文を見ながら行う音読よりも、音声だけに集中するシャドーイングの方が英語を聞き取る耳が鍛えられます

レッスン教材の会話文を使ったシャドーイングに加え、TOEIC教材を使ったシャドーイングもしました。特に、TOEICの受験前は、パート3、パート4の英文で集中してシャドーイングをします。

英語講師アン

問題を聞き流すだけより、リスニングの集中力が上がり、学習の質も上がります。

基本的には同じ英文を何度もシャドーイングするのですが、Podcastなどの音声を聞きながらシャドーイングするのもおすすめです。通常なら多聴として聞き流すだけで終わるものを、あえてシャドーイングしてみるのです。難易度は高いですが、学習の質が上がると感じます。

シャドーイングはアプリを活用するのがおすすめです。添削を受けながら行えば上達が早いです。以下の記事でアプリを紹介しているので、自分に合うアプリで学習してみてください。

多聴多読

英語力のさらなるアップを目指すなら、インプットの量を増やすことも必要です。文法の用法や、単語の使い方まで、感覚をつかんで「使えるレベル」にしていくには、英語に触れる量を確保することが絶対に必要だからです。洋楽の歌詞や洋画・海外ドラマのセリフ、洋書など、ネイティブのリアルな英語に触れることが大切です。

  • 洋楽の歌詞
  • 洋画・海外ドラマの台詞
  • 洋書・洋雑誌・英字新聞
  • 英字のPodcast
  • TED Talksなどの動画 etc.

教科書の英語だけで勉強していると、「正しいけれども不自然な英語」になる可能性があります。初心者の頃はそれでも良いのですが、一定レベルに到達したら、正しさだけでなく「自然さ」も追求したいです。

意識的にいろんな英語に触れていけば、少し硬い表現から会話で使えるカジュアルな表現まで、幅広い単語やフレーズが身に付きます。英会話スキルを上げたいなら海外ドラマや、「チック・リット」と呼ばれる軽めの大衆小説。もう少し固めの表現も学びたければ、実用書や自叙伝を読んでみたり、インプットする英語を変えていきます。

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目的に応じて使う素材を変えていくのがおすすめ。

初心者のうちは教科書の英語でも構わないです。まずは教科書的な「正しい英語」で学んだ上で、ネイティブのちょっと崩した英語にも徐々に触れていく。この順番が大事なのではと思っています。

英語を話す環境に身を置く

スピーキング力を上げたければ、英語を話す機会を増やす必要があります。私が20代30代の頃にはオンライン英会話はありませんでした。私が毎日英語を話す環境を手に入れたのは、英会話講師になってからです。

講師として採用される時点で、ある程度の英会話スキルはありましたが、スピーキングにはまだ苦手意識がありました。仕事で毎日何時間も英語を使うようになって、最も伸びたのがリスニングとスピーキングです。

英語講師アン

やはり、毎日英語を話すことはコミュニケーションスキルを大きく伸ばしてくれます。

ただし、これはある程度英語の知識があった上でのことです。土台がしっかりしていれば、場数を踏めば力がついていきます。逆に文法や単語の基礎知識が中途半端だと、伸び幅は限られてきます。ここを理解せずに、基礎学習をおろそかにして、ネイティブ相手にフリートークばかりしていても頭打ちするので気をつけましょう。

ちなみに、日常的に英語を話す環境に身をおけば、日常会話のスキルは身に付きますが、使う語彙は限定されます。話題が広がって難しいテーマで意見を求められると、単語が出てきません。

英語講師アン

上級レベルを目指すなら、ディスカッションレッスンなども受講するといいですね。

ネイティブレベルに近づくにはプロの手も借りる

完全に独学で英語を習得するのではなく、必要に応じてプロの手を借りるのがおすすめです。自分の英語力を客観的に判断するのは難しいもの。第三者のプロの意見を聞きアドバイスをもらえば、上達は早くなります。私自身もスクールに通った時期があるので、どんな点が良かったかお伝えします。

発音矯正

大人になってから英語を習得しようとする人にとって、発音の習得は最難関の1つと言えます。独学では難しいので、プロの指導を受けるのがおすすめです。私自身、学生時代に音声学の授業で講師について学んだのが非常に役に立ちました。

英語講師アン

英会話講師として、「発音が良い」のはかなりプラスに働きました。

決してネイティブと同じレベルの発音を身につける必要はありませんが、少なくともきちんと伝わるレベルの発音は身につけておきたいです。

キレイな発音で流暢な英語を話せれば「ネイティブみたいな英語」という印象を相手に与えます。講師時代、私の英語を聞いた生徒さんから日系アメリカ人と間違えられたり、アメリカ人から「アメリカ人かと思った」と言われた経験も。「発音+流暢さ」があれば、それだけでもネイティブらしい英語に聞こえるわけです。

英会話スクールでの学び

英会話スクールに通ったこともあります。と言っても何年も通ったわけではなく、勤めていたスクールでたまにレッスンを受講していました。経験してみて思ったのは、英会話レッスンだけではさほど上達しないということです。

週に1回50分のレッスンでしたが、それだけは十分なスピーキングの時間が取れません。グループレッスンの場合は一人あたりの話す時間は少なくなり、レベル分けも意外と曖昧です。英会話レッスンで上達するというより、予習復習などレッスン外の学習が鍵になります

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担当講師から客観的なフィードバックをもらえるのは良かったです。モチベーションアップになるし、改善点がわかります。

このころすでにかなり流暢に英語を話せるようになっていたのですが、自分が自然な英語を使えているか自信がありませんでした。講師から、「君の英語はナチュラルだし、ネイティブレベルと言ってもいいよ」と言われ、初めて自信を持てました。

当時受講していたのは、ディスカッションレッスン。仕事では、こういったディスカッションをしないので、英語力の幅を広げるのに役立ちました。後に英検1級を受験して合格しているので、レッスンが役立ったと思っています。

ちなみに、「ネイティブレベルと言ってもいろいろじゃない?」と話したら、「じゃあ、訂正してネイティブの大学生レベル」と言われました。とりあえず、純ネイティブとしてそれなりの英語力を身に付けられていたのかと思います。

  • レッスン外の学習が鍵となる。週に1回のレッスンだけでは上達しない。
  • 伸ばしたいスキルに合わせてレッスン内容を選ぶ。あえて普段話さない内容でレッスンを受けて、英語力の幅を広げるのもおすすめ。

翻訳学校での学び

英会話スクールの外でどこまで通用できるのか試したくなり、通訳翻訳のプロを養成するスクールに通ってみることに。入学前に受けるテストの結果、プロの翻訳者を養成する本科コースに入学しました。

授業では、日本人講師による英日翻訳クラスと、ネイティブ講師による日英翻訳のクラスを受講します。日本語で読んでも難しいような文章を翻訳するので、かなり難しかったです。

<実務翻訳本科レッスン内容>

スクロールできます
項目詳細
レッスン時間90分の授業×週2回
事前課題課題文書を翻訳して1週間前に提出
授業内容添削後の課題文が返却され、クラスメイト全員の訳文を見ながら解説や質疑応答
課題文ジャンル広告文・ビジネス文書・技術文・記事文etc.
伸ばせたスキル①読解の正確さ:TOEICのリーディングセクションで満点近く取れるようになった。
②ライティングスキル:文書の種類に合わせてふさわしい用語や文体を使い分けられるようになり、より洗練された表現を使えるようにもなった。
③翻訳のスキル

翻訳学校では、「正確な翻訳ができているかどうか」ということに加え、「自然な英語か」「読者にとって読みやすいか」「構成がきちんとできているか」というワンランク上の英語力が求められます。そこで評価されるという事は、ある意味で「ネイティブ以上の英語力」とも言えるかもしれません。

英語講師アン

ここでも授業外の学習が大きなカギになっています。毎回レッスンの倍以上の時間をかけて課題に取り組んでいました。

私は英訳以上に和訳に苦戦しました。和訳では、母国語である日本語の表現力も大切です。日本語を書きながら「この用法合っているだろうか?」と広辞苑を引くことも度々。英語であろうが日本語であろうが、語学の習得に終わりはないということを改めて感じさせられました。

ありがたいことにネイティブ講師からの評価が高く、「読みやすい自然な英文が書けている」と高評価していただきました。

  • やはりレッスン外の学習が鍵になる。
  • 英語のプロに求められるのは、「商品」として通用する質の高い洗練された英語。時にネイティブを超える英語力も必要。

まとめ: ネイティブレベルにこだわらず、「伝わる英語」を身につける

英語を学ぶ上で、ネイティブレベルに近づこうとする過程で英語力が磨かれるのも事実です。一方で、日本人の日本語力が皆同じでないように、ネイティブの英語力にもバラツキがあるのです。ある特定の分野においては、非ネイティブがネイティブの英語力を超えることもあるでしょう。

大切なのは、自分が何のために英語を学ぶのか、英語を使って何をしたいのかを考え、目的に合う英語学習をしていくことです。そしてある一定のレベルに到達したら、「英語を学ぶ」ことから「英語で学ぶ」「英語で伝える」ことにシフトしていかなければいけません

英語の習得は、最終ゴールでは無いのです。むしろそれはスタート地点です。そこで初めて、英語を使って活躍できる人になれるのです。そしてその時に、「英語で何を語れるか」が大切です。もし、あなたが仕事で英語を使いたいのならば、これまでの経験や培った知識があるはずです。それが価値あるものならば、あなたの英語がネイティブレベルでなくても、相手はあなたの言葉に耳を傾けるはずです。

どうか、ネイティブレベルにこだわらずに、あなたの思いを伝えられる英語力を身に付けてください。

この記事が、皆さんの英語学習を見直すきっかけになれば嬉しいです。

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