「シャドーイングとディクテーション、どっちがいいの?」
そんな風に悩んでいませんか?
どちらもリスニングのスキルを鍛えるのに効果的な学習方法ですが、それぞれに違う特徴があります。自分に合う学習方法を選びたいところ。
英語講師アンそれぞれにメリット・デメリットがあり、理想は両方を組み合わせることです。
<シャドーイングのメリット・デメリット>
<ディクテーションのメリット・デメリット>
とは言え、忙しい毎日の中で両方のトレーニングを習慣にするのは難しいですね。
そこで、仕事で忙しい社会人は、シャドーイングを毎日の習慣にしつつ、週末など時間の取れるときにディクテーションをするのがおすすめです。
この記事では、シャドーイングとディクテーションそれぞれのメリットとデメリットをわかりやすく解説します。この記事を読んでふたつの違いを理解し、より自分に合う学習方法を選んでくださいね。

Anne(アン)
英語講師/学習コンサルタント
大学時代、英語科に進学したものの英会話力はゼロ。悔しさをバネに努力を重ね、留学なしでTOEIC980点・英検1級を取得。自らの経験をもとに、英語学習に役立つ情報を発信しています。
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シャドーイングのメリット

まずはシャドーイングのメリットを見ていきましょう。シャドーイングでは聞こえてきた音声を即座に口に出します。リスニング向上に効果があるトレーニングですが、スピーキング力の向上にも一定の効果が期待できます。
英語の発音が良くなる
シャドーイングでは、英語の音声をできるだけ忠実に再現する練習をします。その結果、英語の音を捉える力が養われ、同時に自分の英語の発音も改善されていきます。
例えば、英語がナチュラルスピードで話されると、単語と単語の境目がはっきりせず、一続きの音に聞こえることが多いです。
音の連結:an egg→アネッグ
音の脱落:good day→グッディ
シャドーイングすることで、こういった英語の音声変化が自然とできるようになっていきます。自分で発音ができれば、当然リスニングでも聞き取りやすくなります。
英語講師アン発音の改善と同時にリスニングも改善されていくわけです。
私の生徒さんも、最初はぎこちない発音が、だんだんと英語らしい自然な発音に変わっていきます。
リスニングの集中力が身につく
シャドーイングでは、音声を聞きながらすぐに真似してくり返します。とても集中力を必要とするトレーニングです。続けることで、リスニングに対する集中力が身につきます。
たとえば、長時間にわたってビジネス英語のプレゼンテーションを聞くようなことはありませんか?だんだん集中力が落ちていきますよね。
英語講師アンシャドーイングを習慣化している人は集中力が続きやすいです。
TOEICなどのリスニング試験でも同様です。TOEIC対策でシャドーイングをしている生徒様は、「シャドーイングのおかげで最後まで集中力が続いた」とおっしゃっています。
英語を理解するスピードが上がる
シャドーイングをおこなうことで、英語を理解するスピードも上がります。英語のリスニングでは、発音の聞き取りをした上で内容の理解が必要です。
しかし、発音の聞き取りがスムーズにできれば、内容の理解によりエネルギーを注げるようになります。
会議やビジネスの場面では、ネイティブスピーカーが話すスピーディーな英語を理解する必要がありますよね。
英語講師アンそんな時に、シャドーイングによって鍛えたリスニング力が役に立ちます。
スピーキング練習にもなる
シャドーイングのもう一つのメリットは、スピーキング力向上にも役立つ点です。シャドーイングでは同じ英文をくり返し練習するので、単語やフレーズなども自然と覚えていきます。
聞き流すだけでなく実際に口を動かし発話もするので、英語が口から出てきやすくなるのです。
仕事で英語で話す機会がある人などは、シャドーイングで学んだフレーズが自然と口から出てくるようになるはずです。
私が指導した生徒さんも、久しぶりに英語を話す機会にでくわしたとき、「英語が口からスラスラ出てきて驚いた」とおっしゃっていました。
英語講師アン私自身も、シャドーイングで練習した表現は、会話のときに口から出てきやすくなると感じます。
シャドーイングのデメリット

シャドーイングには多くのメリットがありますが、デメリットもあります。デメリットを理解した上で取り組めば、より効果的に学習を進められます。
初心者には難しく感じられる
シャドーイングは、音声を聞きながら同時に発話もおこないます。そのため、英語学習の初心者にとっては難易度が高く感じられます。
英語の音を捉えるのにまだ不慣れな場合、音を追いかけながら発話するのは大変です。まずは短い文章やゆっくりとした音声から始めるなどの工夫が必要です。
- まずは短い文章やゆっくりな音声で始める。
- シャドーイングする前に英文を見ながら音読する。
- 英文を見ながらオーバーラッピングをしてみる。
ちょとした工夫でシャドーイングが取り組みやすくなります。特に初心者は、ちょっとずつ段階を踏んで進めていくのがおすすめです。
やり方になれるのに時間がかかる
効果的なシャドーイングをおこなうためには、ある程度の練習が必要です。最初は、なかなか上手くできず以下のようなストレスを感じると思います。
- 発音が聞き取れない。
- スピードに追いつかない。
- 口が回らない。
- シャドーイングのタイミングがつかめない。
コツをつかむまでに時間がかかるので、途中であきらめてしまう人も多いですが、根気よく続けていきましょう。10分間だけでもいいので毎日続けることで、少しずつ慣れていきます。
英語講師アン最初はストレスを感じるかもしれませんが、続けることで徐々に上達します。
シャドーイング初心者はアプリなどを使って練習すると良いでしょう。発音添削を受けられるアプリもあるので、早く効果を実感したい人にもおすすめです。
スペルは身につかない
シャドーイングは、あくまでリスニングとスピーキングに重点を置いた練習方法です。書く作業はおこなわないので、単語のスペルを学ぶのには向いていません。
書く能力も向上させたいなら、ディクテーションの方がおすすめです。
とは言え、実際の仕事の場面でスペルを書くということは少ないです。日本人は読めばわかるけれど聞き取れない人が多いので、リスニングとスピーキングに集中するシャドーイングの方が向いているとも言えます。
英語講師アン自分に必要なスキルに合わせてトレーニングを選んでくださいね。
ディクテーションのメリット

ディクテーションは、シャドーイングとは異なる角度からリスニング力を向上させることができます。具体的なメリットを見ていきましょう。
リスニングの弱点がわかる
シャドーイングと違って、ディクテーションでは聞いた音声を文字として書き取ります。その結果、自分がどの音を聞き取れていないのかをより具体的に把握できます。
たとえば、特定の単語やフレーズが何度も聞き取れない場合、考えられる原因は以下の2つです。
- 単語を知らない
- 発音が聞き取れていない
ディクテーションで問題の原因を突き止めることができます。原因がわかればそれに合わせた対策をしていけるので、自分に合う学習プランを立てていけるのです。
英語の音とスペルを一致させられる
ディクテーションでは、聞いた音声をそのまま書き出すため、英語の音とスペルを結びつけることができます。例えば、発音が同じだけれどスペルの違う別の単語が存在します。
- break(壊す)brake(ブレーキ)
- write(書く)right(正しい)
また、LとRなど、日本人には聞き分けが難しい発音もあります。
- light(明るい)と right(正しい)
- sick(具合が悪い) と thick(分厚い)
- fun (楽しい)と fan (ファン)
書き起こすことでスペルと単語を正確に結びつけることができます。
リーディングやライティングのスキルも上げたい人には、ディクテーションで文字と音をよりつなげられるのがメリットでしょう。
文法力も上がる
意外に思う人も多いでしょうが、ディクテーションでリスニングだけでなく文法力も上がります。ディクテーションは、文法も含めたあらゆる英語の知識を総動員しておこなうからです。
例えば、生徒さんにディクテーションをしてもらうと、以下のような単語がよく抜けがちです。
- be動詞
- 助動詞
- 前置詞
- 冠詞
- 3人称単数のs
こういった単語は、弱く発音されることが多いので聞き取りにくいのです。でも、文法の知識があれば「ここにはbe動詞がくるはず」とわかるので、かすかな音でもキャッチできます。
英語講師アン苦手な文法はディクテーションでも聞き取りにくく、書き出すことで自分の苦手が明確になります。
ディクテーションのデメリット

ディクテーションはメリットもたくさんありますが、やはりデメリットもあります。
時間や手間がかかる
ディクテーションは音声を文字として書き出すので、どうしても時間と手間がかかります。たった1分の音声でも、完全に書き起こすには倍以上の時間がかかるものです。隙間時間で手軽にできず、机に向かって集中しておこなうので、忙しい社会人にとっては難しく感じるでしょう。
英語講師アンディクテーションができるアプリもありますが、スマートフォンで単語を打ち込むのはけっこう面倒くさいもの。
- 一時停止しながら何度も聞き返す必要がある
- 書き取る作業は時間がかかる
- 隙間時間で学習しずらい
- ながら学習ができない
メリットはあるものの、どうしても億劫に感じてしまいがちです。
毎日の習慣として実施するは難しいので、週に1回休みの日におこなうのがおすすめです。
発話の練習にはならない
ディクテーションはリスニングとライティングの練習には非常に有効ですが、スピーキングの練習にはなりません。音を聞き取る練習にはなりますが、自分では発話しないので発音の改善にもならないです。
発音や会話力を強化するには、シャドーイングと組み合わせて練習するのがおすすめ。
ディクテーションして終わりではなく、そのあとに音読する、シャドーイングするという発話練習をいれると効果的です。
リスニング理解のスピードは身につかない
ディクテーションは、細かく音声を聞き取りながら進めるため、スピード感には欠けます。ネイティブスピーカーの速い英語を聞いて瞬時に理解できるようになるには、ディクテーションだけでは不十分です。
じっくり取り組むディクテーションでは、理解のスピードは上がらない。
ディクテーションはリスニングの正確さを上げるトレーニングです。理解のスピードを上げるには、シャドーイングの方が効果的です。
英語講師アン両方合わせておこなうのがおすすめ。
シャドーイングとディクテーション、どっちが自分に合うのか

シャドーイングとディクテーション、どちらを選ぶべきかは、学習目的やスタイルによって異なります。
スピーキングvsライティング
シャドーイングとディクテーションはどちらもリスニング力の向上に効果がありますが、音声を聞いて「口に出す」のか、「書き出す」のかの違いがあります。よりスピーキングよりなのがシャドーイング、よりライティングよりなのがディクテーションと覚えておきましょう。
スピーキングにも活かしたいならシャドーイング
リスニングだけでなくスピーキング力も強化したい場合はシャドーイングが効果的です。スピーキングでは瞬発力が求められるので、音声を聞いて即座にくり返すシャドーイングは流暢さを磨く練習になります。
- くり返しのシャドーイングで単語やイディオムなどが定着しやすい。
- 発音の向上にもなる。
- 会話の場面で使えるフレーズを自然に口に出せるように練習できる。
- 瞬発力を磨く練習にもなる。
ライティングにも活かしたいならディクテーション
リスニングだけでなくライティング力や文法を強化したい場合には、ディクテーションがおすすめです。ライティングではスピーキング以上に正確さが求められます。ディクテーションでは文章全体をていねいに聞き取り文法にも気を配るので、正確さが身につきます。
- 音と文字の結びつきを強化できる。
- 文法の苦手ポイントもわかる。
- 文章全体をていねいにチェックするので正確さが上がる。
- メールやビジネス文書など書くスキルを上げるのにも向いている。
隙間時間vsじっくり学習
シャドーイングとディクテーションのどちらが自分に合うかは、学習のスタイルによっても変わります。
忙しい人にはシャドーイング
忙しい毎日の中で効率的に学習を進めたい場合は、シャドーイングがおすすめです。シャドーイングは音声さえあればできます。スマートフォンで音声を流しながら、どこでもできるので忙しい人におすすめです。
- 隙間時間の5分、10分でもシャドーイングできる。
- 家事をしながら、歩きながらの「ながら学習」ができる。
- 手軽にできるので習慣化がしやすい。
じっくり取り組むならディクテーション
一方、時間をかけてじっくりと学べる人には、ディクテーションがおすすめです。机に向かって集中して学習できるなら、ぜひディクテーションも取り入れましょう。
ディクテーションは以下のものを揃えてデスクで作業します。
- 音声
- 英文スクリプト
- 紙とペン
スマートフォンでディクテーションができるアプリもありますが、しっかり取り組むにはやはり紙に書き出すのがおすすめです。書き取った英文を見直したり分析もしたいので、手書きの方がやりやすいです。
きちんと取り組めば、1分位の長さの音源でも15分~30分位の時間がかかります。集中しておこなう学習なので、シャドーイングのような隙間時間での学習には向いていません。
シャドーイングとディクテーションおすすめの学習プラン

ディクテーションとシャドーイングはどちらも効果のある学習方法です。もっとも効果的に学習するなら両方ともおこなうのが理想的。とは言え、時間が十分取れないという社会人も多いでしょう。そんな人におすすめの学習プランをご紹介します。
ディクテーションしてからシャドーイングする
私がおすすめする学習の順番は、まずディクテーションをおこない、その後にシャドーイングをおこなう方法です。
- ディクテーションで聞き取れない箇所を明確にし、音とスペルをしっかり結びつける。
- シャドーイングで自然に発音できるように練習する。
ディクテーションで聞き取れなかった音は、シャドーイングでも引っかかります。先に弱点を明確にしておけば、シャドーイングで自分の苦手なポイントに注意して効果的なトレーニングができます。
学習の頻度とペース
とは言え、社会人にとって毎日の学習にディクテーションを取り入れるのはなかなか難しいです。そこで以下のような学習プランがおすすめです。これだと取り組みやすく、なおかつ効果的な学習ができます。
- 週に1回じっくりディクテーションをおこなう。
- ディクテーションした音源を使って毎日15分シャドーイングをおこなう。
ディクテーションは集中しておこないたいので、デスクに座って30分位は時間をかけたいところです。休日などでまとまった時間を取れる日におこないましょう。
シャドーイングは毎日続けておこないたいです。短時間でも良いので隙間時間などを活用しておこないましょう。同じ英文でくり返しおこなうのが効果的なので、せめて4-5日位は同じ英文をシャドーイングしたいです。
リピーティングやオーバーラッピングも取り入れる
シャドーイングはリピーティングやオーバーラッピングと合わせておこなうのがより効果的です。特に初級~中級レベルの人はディクテーションのあとすぐにシャドーイングをおこなうは難しいです。
- リピーティング:英文を見ながら音声のあとにくり返して発話
- オーバーラッピング:英文を見ながら音声と同時に発話
リピーティング、オーバーラッピング、シャドーイングの違いは以下の記事で詳しく説明しているのでご参考にしてください。
ディクテーションの時間が取れない場合
紙に書き出すディクテーションは手間や時間がかかるので、どうしても億劫で続かない。そんな人はディクテーションを口頭でおこなってみましょう。
- ところどころ一時停止しながら、書き取る代わりに口頭でくり返してみる。
- 聞き取りの際に文法も意識してみる。
- スクリプトを確認した際に、単語や文法の曖昧なところをしっかりチェックする。
本来は紙に書き出しておこなうディクテーションを口頭でおこなうイメージです。通常のディクテーションほどのていねいな分析ができませんが、聞き取れない箇所の確認にはなります。
英語講師アンシャドーイングで引っかかる箇所の分析をしっかりおこないましょう。
シャドーイングしたときに上手く言えない箇所を、英文スクリプトで見直して確認します。
- なじみのない単語や熟語がないか
- 文法がわかりにくい箇所がないか
- 発音は聞き取れるか
ディクテーションで先に弱点の解明ができないかわりに、シャドーイングを通じて弱点を解明していきます。
ディクテーションで聞き取れない箇所≒シャドーイングで引っかかる箇所
なぜ上手くシャドーイングできないのか?と分析してみれば、苦手なポイントが見えてくるはずです。たいていの場合、ディクテーションで書き取れない箇所とシャドーイングで引っかかる箇所は似ているので、分析していけば苦手なポイントが見えてきます。
まとめ:シャドーイングとディクテーションを上手に組み合わせる
今回の記事では、リスニング向上に効果があるシャドーイングとディクテーション2つの学習方法のそれぞれのメリット・デメリットについて説明しました。
どちらもリスニング向上に効果的な学習法ですが
- シャドーイングの方がスピーキング寄りのトレーニング
- ディクテーションの方がライティング寄りのトレーニング
と言えます。
シャドーイングは隙間時間でできたりながら学習ができるので、忙しい社会人と相性の良いトレーニングです。できれば以下のようなプランで両方を学習に取り入れてみるのがおすすめです。
- 週に1回じっくりディクテーションをおこなう。
- ディクテーションした音源を使って毎日15分シャドーイングをおこなう。
うまく組み合わせて効果的な学習をしていきましょう。
シャドーイングを中心にしながら時々ディクテーションを行うなら、シャドーイングアプリ「シャドテン」を使うのもおすすめ。
ディクテーションテストもあるので2つのトレーニングを上手に組み合わせることができます。効率よく学びたい方はお試ししてみてくださいね。
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